【サルコペニア】のリスク。筋肉量の減少が目立ってくる年齢とは?

加齢に伴い筋肉の量が減少してくることはご存知の方も多いかもしれません。

しかしさらにもう少し踏み込んで、実際に筋肉量の減少が目立ってくる、もしくは加速してくる年齢がいつ頃であるかについてはご存知でしょうか。

 

今日はそんな筋肉量の減少が目立ってくる年齢についてご紹介したいと思います。

 

今日では加齢に伴い筋肉量が減少してくることは、周知の事実となっています。

そして今回紹介する18歳から88歳までの健康な多民族(白人67%,アフリカ系アメリカ人17%,アジア系8%,ヒスパニック系7%)の男女468名を対象とした研究を参照しても、

男女両方において、年齢と筋肉量の関係においては負の相関が認められています。

(参照:I Janssen et al. Skeletal muscle mass and distribution in 468 men and women aged 18-88 yr.J Appl Physiol (1985). 2000 Jul.)

 

負の相関、、、つまりは年齢が高くなるにつれて、筋肉量は反比例して下がるといった関係があることを意味します

 

 

その研究結果のグラフが以下のようになります。

 

年齢と骨格筋量

(引用:I Janssen et al. Skeletal muscle mass and distribution in 468 men and women aged 18-88 yr.J Appl Physiol (1985). 2000 Jul.)

 

この図は男女における骨格筋量と年齢の関係を示した図であり、縦軸が骨格筋量、横軸が年齢となります。

グラフはなだらかな曲線となっており、右に行くにつれて下降していることがわかります。

つまりは年齢(横軸)が増えるにつれて、骨格筋量が減少しているといった関係がグラフから見てもわかります。

そしてこの図のポイントしては点線が引かれている位置、つまりは男女とも45歳前後でグラフの傾きが変化していることが見て取れます。

 

このことから男女ともに骨格筋量の減少が顕著に見られるのは”45歳前後”からであるということがわかります。

 

また相対的骨格筋量( body mass/skeletal muscle mass)と年齢の関係については以下のようになっています。

相対的骨格筋量と年齢

(引用:I Janssen et al. Skeletal muscle mass and distribution in 468 men and women aged 18-88 yr.J Appl Physiol (1985). 2000 Jul.)

 

実線が2本ありますが、上の傾きのより大きい線が男性、下の傾きの小さい線が女性のデータを表しています。

つまりはこのグラフから、加齢による身体に占める骨格筋量の減少率は男性でより著しいことがわかります。

 

続けて同論文を読み進めていくと、年齢の影響を更に検討するために先ほど述べた筋肉量の減少が顕著となってくる45歳を境に、18-44歳のグループと45歳以上のグループに分けています。

それを参照すると性別を問わず、18-44歳の年齢区分では、全身・下半身・上半身の筋肉量は年齢と関係がなかったと書かれています。

 

つまりは、44歳頃までは筋肉量の減少はそれほど認められないことがわかります。

(※一応補足すると、若いうちに運動をすることにより筋肉量を増やしておくことのメリットは明確にあります。それについては追々書いていきたいと思いますが、リスク管理という意味では45歳くらいまでは若さの恩恵として骨格筋量の減少は起きにくく、そこまで過度に心配しすぎることはないといった一面があるといったことを軽く抑えていただければ幸いです。ただあくまでも筋肉量の減少率が大きくなるのが45歳を過ぎたところであり、筋肉の萎縮自体は少なからず若い時期(25歳頃)からもあることは念頭に置いておく必要があります。
参照:J Lexell et al. What is the cause of the ageing atrophy? Total number, size and proportion of different fiber types studied in whole vastus lateralis muscle from 15- to 83-year-old men.J Neurol Sci. 1988 Apr.)

 

しかし、45歳を過ぎると加齢と筋肉量の関連は強くなり、それも(男女ともに)上半身と比べて下半身の筋肉量の減少が大きいことがわかっています。

 

上半身と下半身の筋肉量と年齢の関係

(引用:I Janssen et al. Skeletal muscle mass and distribution in 468 men and women aged 18-88 yr.J Appl Physiol (1985). 2000 Jul.)

 

上の図のAが45歳以上の男性Bが45歳以上の女性のデータになります。

見ての通り、男女共に右下がりの傾きが大きいのがLower Body、、、つまりは下半身の筋肉量の減少の大きさが見て取れます。

そのため、45歳以降の筋肉量の減少を防ぐには上半身よりも下半身をより優先して予防することが重要であることが示唆されます。

 

またこのように加齢により筋肉量が減少していく現象をサルコペニアと言うこともあるのですが、そのサルコペニアの有病率はというと年齢とともに上昇し

  • 75~79歳では男女ともに約22%
  • 80歳以上で男性32%、女性48%

といった報告もされています。

そしてこのサルコペニアのリスクとしては

  • 総死亡リスクが男性2.0倍、女性2.3倍高くなる。
  • 要介護発生リスクが男性1.6倍、女性で1.7倍高くなる。

とも言われています。

(参照:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所)

サルコペニアについてはまたより詳しく書いていきたい内容ではあるので、今回は言葉程度のご紹介とさせていただきますが、上記に挙げたようにより健康でいるためにも加齢による筋肉量の低下予防は非常に重要になってきます。

 

今回のまとめとして、

  • 筋肉量の減少が著しくなる年齢は45歳前後からである。
  • 上半身よりも下半身の筋肉がより落ちやすい。
  • 身体に占める筋肉量の割合の減少は男性でより顕著である。
    →しかし女性は元々の絶対的な筋肉量が少ないため女性も同様に注意が必要である。

 

~雑記~

新年明けましておめでとうございます。

私は毎年、すごく小さなことでも何か新しいことを1つ以上は始めるといったことを決めていますが、昨年は代表的なもので言うと今更ながら英会話を始めた年でした(笑)

読むことは多少できても、書く・聞く・話すが壊滅的にダメなタイプなのでそれを鍛えるために現在も外国人講師とマンツーマンで何とか続けて頑張っています^^;

自分の学習力の低さを痛感しますが(笑)

その更に前の年はというと、今思えばIT音痴な私が手探りでこのブログのために自作ホームページを作った年でもありました。

今年も大したことないことでも良いので幾つか新しいことを見つけて初めてみようと思います。

皆さんにとっても2022年が幸多き一年となりますよう心からお祈りいたします^^

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