食べているのに痩せる? 太る? 生活習慣の秘密について解説。

前回は肩こりや腰痛の予防につながる生活習慣についてご紹介しましたが、今日は体重の増減に関係している生活習慣についてご紹介します。

 

1.沢山食べているのに痩せている人とあんまり食べていないのに太っている人の謎。

 

食べているのに痩せている人、反対にあんまり食べていないのに太っている人について身近に心当たりのある人もいるかもしれません。

 

基礎代謝以外の要素。

 

もちろん基礎代謝の違いであったり、その他にも私の過去のブログで取り上げた内容などでいえば、肥満の原因に繋がる脂肪細胞の数が小児期〜青年期にある程度決まってしまうと言った要因など多様な理由があると思います。

(過去ブログは 子供の時の運動が成人以降も影響を与えるの? をご参照ください。)

 

今日はそんな数ある理由の中の1つである“生活習慣”に焦点を当て、

 

体重が増える人と減少する人の生活習慣の違いについて取り上げたいと思います。

 

過去にも書きましたが痩せたり太ったりという現象はシンプルに消費量と摂取量の差で決まるので、太りたくなければより少なく食べて、より多く運動していれば良いことになります。

 

2.前向き研究からみる体型に影響を与える食習慣・生活習慣。

 

食習慣や生活習慣の違いは体型に影響を与える。

 

ただそうした単純なもの以外にも、

特定の食習慣やその他生活習慣の違いによって太る(痩せる)といったことに影響しないだろうか?

という疑問を調べるために行われた研究があります。

 

どういった研究かというと、研究開始時点で肥満でなく、慢性疾患のないアメリカ人男女120,877人を対象にした前向き研究になります。

 

今日はそれを元にお話をしたいと思います。

(参照:Dariush Mozaffarian et al.Background: Specific dietary and other lifestyle behaviors may affect the success of the straightforward-sounding strategy “eat less and exercise more” for preventing long-term weight gain. N Engl J Med. 2011.)

 

太った人と痩せた人は食べていたものに違いがある。

 

その研究の中で「食事の変化量」「体重の変化量」の関係を解析した結果、体重が増加もしくは減少した人達が多く摂取したものについて差が認められました。

 

つまりは

体重が増加した人と減少した人では普段から食べていたものに差があったことがわかったのです。

 

 

その結果が下になります↓

 

(Dariush Mozaffarian et al.Background: Specific dietary and other lifestyle behaviors may affect the success of the straightforward-sounding strategy “eat less and exercise more” for preventing long-term weight gain. N Engl J Med. 2011.より画像引用)

 

 

結果の見方。

 

簡単にこの図の見方を説明すると、これはある食べ物(飲料)の摂取量が増加した際に、体重がどう変化したかを表しています。

 

右に伸びている場合その食べ物の摂取量の増加に伴い体重も増加していたことを示し、

反対に左に伸びているものはその食べ物の摂取量の増加に伴い体重は減少していたといった結果を示しています。

 

例を挙げると1番上の項目は右に1番伸びています。

この項目を確認するとポテトチップスであることがわかります。

これはポテトチップスを食べる量が多かった人ほど体重が増加していたといったことを示しています。

 

摂取量が多いほど太ってしまった食べ物。

 

そうした感じでこの図を見ていくと分かることは、程度の大小はあれど他にも摂取量が多いほど太ってしまった食べ物

  • 揚げ物
  • 加工肉(ハム、ソーセージ)
  • 赤身肉
  • 精製穀物(小麦粉や白米でできた食品)

であることがわかります。

 

これを聞くと特に目新しい感じはせず納得できる方も多いかもしれません。

 

太らないためにはこれらの摂取量をある程度少なくすることが有効であると考えられます。

しかし、意外と盲点なのが太るのを予防しようとすると食べる量を減らすことには意識がいくのですが、反対に変わりに食べる量を増やすと良いであろうものについては見落とされがちです。

 

それがこの研究結果にもある摂取量が多いほど体重の減少を認めた食べものです。

 

摂取量が多いほど痩せた食べ物。

 

これも程度の差はあるので詳細は原文を参照していただきたいのですが、どんなものがあるかというと以下のようなものになります。

  • ナッツ
  • ヨーグルト
  • 全粒穀物(玄米や蕎麦など)
  • フルーツ
  • 野菜

などです。

 

これらについては多く摂取しているほど体重が減少していたといった関係が認められています。

 

つまりは体重が減少していた人ほど多く摂取していた食べ物といえます。

 

今ご紹介したのはいわば食習慣と体重の関係といえますが、まだ続きがあります。

 

同論文で面白いのがこうした食べ物と体重の関連だけでなく、他の生活様式因子も体重変化と独立して関連していたことを報告しています。

 

 

食習慣だけでなく生活習慣も体重の増減に関係する。

 

つまりは食べているものの違い以外にも、体重の増減と関連している生活習慣があったことについても書かれているのです。

 

それらの生活習慣が以下のようなものでした。

  • 身体活動
  • アルコール
  • 喫煙
  • テレビの視聴
  • 睡眠

 

程度や細かい注意点等の詳細は原文を参照していただきたいのですが、簡単にこれらの関係をご紹介すると

  • 身体活動が大きい人ほど体重の増加が少ない。
  • アルコール量の増加は体重の変化と正の相関。
  • タバコを吸ったことがない人と比べて、過去4年以内に禁煙した人は体重が増加。
  • 喫煙の継続は体重の増加と逆相関。
  • 喫煙の開始は体重の変化と関係なし。
  • 睡眠時間が6時間未満もしくは8時間以上の場合に体重増加が大きかった。

といったことが報告されています。

 

こうした生活習慣によって体重の変化の違いがあるというのは面白いものですね。

特に食べる量が多いほど体重の減少を認めた食べ物というのは実に興味深いものです。

 

実は私は昔から現在までずっと瘦せ体型の人生を歩んでいるのですが、普段よく食べているものがこれらの食べ物にほぼ当てはまっていたりします(笑)

 

別に痩せたくて食べているわけではないのですが、好き好んで普段頻度よく食べているものがそうしたものであったので何とも言えない気分でした。

 

今回参照した論文も無料で全文読めるのでご興味ある方はご参照ください↓

(参照:Dariush Mozaffarian et al.Background: Specific dietary and other lifestyle behaviors may affect the success of the straightforward-sounding strategy “eat less and exercise more” for preventing long-term weight gain. N Engl J Med. 2011.)

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