忙しい日々でもできる!?肥満解消のための運動法とは?

 

皆さんは今の自分の体型に対してどう感じているでしょうか。

 

また今の自分はどういった体型でしょうか。

 

このブログでは痩せすぎのリスクに関しても度々取り上げてきましたが、今日は肥満の人の運動についての豆知識を1つご紹介したいと思います。

 

1.運動習慣の改善を妨げるのは”普段の忙しさ”

 

運動習慣改善の意思として多かった回答は?

 

厚生労働省が発表している令和1年(2019)「国民健康・栄養調査」運動習慣の改善に関わる調査結果にあるBMIの状況別で運動習慣改善の意思に関しての項目をみてみると、、、

 

BMIが普通、肥満の人で1番多かった回答はというと

「関心はあるが改善するつもりはない」

といったものでした。

 

(引用:令和元年国民健康・栄養調査結果の概要)

 

 

運動習慣が定着しない大きな原因の1つは「忙しいこと」。

 

またそうした回答をした人に限らずですが、

運動習慣が定着しない原因の1つとして「忙しくて時間がないこと」が大きな割合で挙げられていることがわかります。

 

 

 

(引用:令和元年国民健康・栄養調査結果の概要)

 

 

まあ、、、そうですよね^^;

 

普段、運動に携わっている私からしても忙しい中で運動時間を確保することは難しいと感じています。

 

頭では大事だとわかっているけど、ついつい後回しにしてしまう、、、

こういった緊急ではないけど大切な事というものの扱いは非常に難しいですね。

 

ただそうは言っても、肥満は心血管系疾患と関連しているため、あまりに放っておくと非常に危険です。

 

困ったものですよね^^;

 

肥満の予防・治療にはエネルギー摂取と消費のバランスを改善することが大事になります。

単純に言うと摂取エネルギーを減らすことと消費エネルギーを増やすことが第一と言われています。

(参照:肥満と健康 eヘルスネット)

 

 

2.忙しい中、少しでも運動効果を得るには?

 

忙しくてもできる肥満改善のための運動のポイント。

 

こういったエネルギーバランスの改善方法として食事運動の見直しが必要となってきます。

 

今日はその中でも運動に焦点をあて、

忙しくて継続が難しい状況の中、少しでも肥満改善のための運動を続けるための一助となるような豆知識を1つご紹介したいと思います。

 

それがNEATです。

NEATとはNonexercise Activity Thermogenesisの略で日本語では非運動性活動熱産生非運動性身体活動などと言われたりします。

 

NEATとは?

 

NEATは目的を持って行う運動やレジスタンス・トレーニング以外の動きに伴う二次的なエネルギーの消費のことを指します。

 

つまりはジムやスポーツなどといった運動ではなく普段の何気ない活動で消費されているエネルギーなどを言います。

 

 

実はこの普段の何気ない活動で消費されているエネルギーが重要になるということで数年程前から注目されています。

 

太っている人は座っている時間が長い。

 

例えばですが、

太っている人は痩せている人と比べて1日平均2時間長く座っていることが認められたといった報告がされています。

 

また、太っている人がそうした痩せている人のようにNEATを強化すれば1日あたり350kcalを追加で消費することができる可能性があるとも言われています。

(参照:James A Levine et al. Interindividual variation in posture allocation: possible role in human obesity.Science. 2005.)

 

消費カロリーというものは、同じ運動であっても体重によって変化するので一概には言えませんが、タニタの消費カロリー早見表を参照しても350kcalは運動量でいうと相当なものであることがわかります。

(参照:タニタ 消費カロリー早見表)

 

数年前にグーグルやアップルなどの大手IT企業でスタンディングデスクが導入されているといったニュースがありましたが、それなどはまさにこうしたNEATを意識した部分もある動きだと思います。

 

普段の何気ない活動もチリも積もればといった感じで決してバカになりません_φ( ̄ー ̄ )

 

そのため比較的近年では肥満を改善するための運動として、中〜高強度の運動の実践以外にも医療従事者はNEATの推進も検討すべきであるといった意見もみられます。

 

またそうしたNEATの推進のためには個人だけでなく、先ほどのスタンディングデスクの例のような自然と活動量が増えるような環境的な取り組みも重要となってくることが示唆されています。

(参照:Pedro A Villablanca et al. Nonexercise Activity Thermogenesis in Obesity Management.Mayo Clin Proc. 2015 Apr.)

 

ついつい座りがちなライフスタイルであるといった自覚のある人はそうした部分のちょっとした見直しをしてみるのも良いかもしれません^^

 

3.肥満解消のためのユニークな運動の一例。

 

今すぐにでも取り入れることができる運動不足解消方法。

 

ただそうは言っても、それですら改善するのは難しいといった人もいるかもしれません、、、。

 

そうした人のために少しユニークな方法を1つご紹介したいと思います。

 

アメリカでは運動不足の問題が深刻化しており、人口の約4分の1が余暇時間に完全に座りっぱなしであるといった報告がされています。

先ほどのNEATの話と絡めると、こうした座りがちな余暇時間を減らすことが運動不足解消の1つの手段となります。

 

そしてアメリカでは、最も一般的な余暇活動としてテレビの視聴が挙げられています。

 

そのため、とある研究でテレビ番組に挟まれるCMの間にその場で足踏みをすること(テレビコマーシャルステッピング)で身体活動を増加させる可能性があると考え、

そうしたCM中のステップ運動と従来の運動(ウォーキング)とを比較することにより、座りがちな活動に身体活動を取り入れることが可能かどうかを検討する目的で行われた研究があります。

 

内容としては、テレビ番組(90分/日の番組)のCM中に足踏み運動をするグループと1日30分のウォーキングをするグループとを無作為に分け、そのプログラムの6か月間の推移を見たものとなります。

 

その結果、テレビ視聴量食事摂取量は両グループで有意に減少したことが確認されました。

引用:Jeremy A Steeves et al. Can sedentary behavior be made more active? A randomized pilot study of TV commercial stepping versus walking.Int J Behav Nutr Phys Act. 2012.)

上の図を見ても、ウォーキング群と比べて遜色ない同程度の歩数結果とテレビ視聴時間の減少が認められているのがわかります。

 

また体重の変化は認められませんでしたが、両グループとも体脂肪率(3ヵ月後~6ヵ月後)、ウエストおよびヒップ周囲径(ベースライン~6ヵ月後)は経時的に有意に減少したことが認められました。

 

テレビコマーシャルステッピングの効果。

 

そのため同論文の結論として、

日常の歩数、テレビ視聴、食事、体格に好ましい変化を示したことからテレビコマーシャルステッピングは肥満の人の毎日の歩数を増やすための従来のアプローチに代わる実行可能な方法となる可能性があるとしています。

(参照:Jeremy A Steeves et al. Can sedentary behavior be made more active? A randomized pilot study of TV commercial stepping versus walking.Int J Behav Nutr Phys Act. 2012.)

 

毎日30分歩くのは出不精の人にはハードルが高く感じたり、天候不順などにより気持ちがめげてしまうこともあるかもしれません。

しかし今回取り上げたテレビCM中に足踏みをするといった運動でも、肥満の人にとってはウォーキングに変わる運動効果を得られる可能性が示唆されています。

 

どんなことでも無理なく続けることができるというのは運動をする上で非常に重要となってきます。

 

そのため、少し運動不足が気になる方や体型が気になる方はこうしたテレビCM中だけでも足踏みをするといった運動を取り入れてみるのも良いと思います^^

 

今日は肥満対策として有効性が示唆されたそんなユニークな運動方法の一例についてのご紹介でした。

 

4.余談:食事を減らしているのに痩せない理由の1つとしてNEATに注目してみるのもあり?

 

 

「食事を減らしているのに痩せない」

 

といった意見はよく耳にするかもしれません。

 

この理由の1つとして、私たちの身体は食事を減らしてもできるだけ体重を一定に保つように様々な反応を示し食事量に適応するといわれています。

 

(引用:André C Carpentier.Acute Adaptation of Energy Expenditure Predicts Diet-Induced Weight Loss: Revisiting the Thrifty Phenotype. Diabetes. 2015 Aug.)

 

その適応部分の1つとしてNEATも関与している可能性が示唆されています。

 

食事量によって無意識のうちに調整されてしまう運動量。

 

普段の何気ない活動から消費されるエネルギーのNEATですが、減量中で食事量を減らすと、無意識のうちに身体を動かす量を減らしたりとカロリー消費量の調整をするといった反応を示すことがあるようです。

(参照:André C Carpentier.Acute Adaptation of Energy Expenditure Predicts Diet-Induced Weight Loss: Revisiting the Thrifty Phenotype. Diabetes. 2015 Aug.)

 

例えば、減量中には減量実施前と比べて無意識に階段を使わず、エレベーターやエスカレーターを使う頻度が高くなるといった摂取カロリーが減ったことに対する無意識の適応として消費カロリーを減らすといった行動が増えるともいわれています。

 

そのため、食事を改善し摂取カロリーを減らして見直しているのに全然減量に繋がらないといった方は1つの視点として、今回ご紹介した消費カロリー部分であるNEATを見直してみるのも良いかもしれません^^

 

減量時の注意。

 

体脂肪を減らすには主に食事制限が選択肢となりますが、その際に一緒に筋肉まで落としてしまわないようにするといった注意が必要となります。

 

減量中に筋肉を維持するために重要な要素としてはトレーニング減量のペース三大栄養素の配分などが挙げられます。

(参照:Eric Helms et al.肉体改造のピラミッド 栄養編.AthleteBody株式会社.2021)

 

特にその中で、減量中でも筋肉を維持するのに1番重要なのはトレーニングであると言われています。

 

そのため、よく悪者として取り上げられることから、減量となるとついつい削りたくなる炭水化物ですが、炭水化物はトレーニングの際の重要なエネルギー源となるので実は極端に削ることはデメリットも大きく注意が必要です。

 

今回は最後の余談でしたが、こうした減量時のオススメのトレーニングや食事管理の基礎の部分も追々紹介していきたいと思います^^

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