今日はダイエット記事について書いていきます。
- ダイエットを始めようと思うけど、大切なことって何?
- 色んなダイエット方法を目にするけど、どれが良いのか迷ってしまう。
- ダイエットをしようと思うけど、具体的に何をしたら良いのかわからない。
といった人のための記事になります。
内容としてはダイエットを始める上での超基礎部分についての話になります。
1.ダイエットの原則
ダイエットをするなら絶対に心に留めておきたい原則。
人が痩せるか太るかといったのは究極的には摂取カロリーと消費カロリーの差で決まります。
多種多様なダイエット、減量本が出版され、様々な方法が紹介されている昨今、
- 運動しなくても痩せる
- 食事制限をしなくても痩せる
- 〇〇だけ食べていれば痩せる
といった聞こえが良く、興味のそそられるメソッドが多くあります。
それが正しい・間違っているかは別にして、どんなダイエット方法を取り入れるにしても必ず忘れてほしくない原則があります。
それは
といったシンプルな原則です。
私のブログでは再三と取り上げてきましたが、これは忘れてはいけない原則となります。
適切なダイエットをする上での基礎中の基礎であり、かつ最重要なのがこのカロリー収支です。
当たり前すぎて面白くないかもしれません^^;
フィットネス業界への警鐘。
ただ、最近のフィットネス業界では元来、当たり前であるはずのこの基礎をおろそかにしているといった指摘もされています。
ダイエットをするにあたって、本来は補助的な位置づけであったはずの細かいメソッドばかりを強調し、効果を誇張しているのではないかといった問題提起がされているのも事実です。
それ以外の弊害としては、フィットネス業界である特定の食べ物を「良い食べ物」・「悪い食べ物」といって二分化しすぎているきらいがあることも指摘されています。
- 〇〇はビタミンが多くあり良い食べ物である
- 〇〇は食物繊維が豊富で良い食べ物である
- それに比べて〇〇はそれらが少ないから悪い食べ物である
といった感じです。
こういった良いとされる食べ物を摂取すること自体は確かに悪くはありません。
ただ、見誤らないでいただきたいのが、こうした良いとされている食べ物だけを食べる方法が必ずしも良い方法であるとは言えないということです。
(詳細に関してはまた取り上げていきます。)
今日は補助的な話、応用的な話が多く話題に上がる中、私はあえて基礎中の基礎の部分に関してご紹介します^^
2.ダイエットの必須ルール。
それが冒頭であげたカロリー収支に関した話であり、それにちなんだ非常にポピュラーなルールである「3,500kcalルール」です。
3,500kcalルールとは。
3,500kaclルールとは何かというと、体重を1ポンド減らすためには3,500kcalのエネルギー消費が必要であるといったものです。
体重1ポンドとはグラムにすると約453.592gです。
タニタのホームページには、脂肪1kgを減らすのに必要なエネルギーは約7,200kcalと記載されています。
(参照:https://www.tanita.co.jp/health/detail/28)
1kgを反対にポンドで表すと約2.20462lb(ポンド)となります。
当然の話ではありますが
1lbは453.592gなので、2.20261lbをg(グラム)で表すと2,20261lb×453=999.998となり、約1kgとなります。
これらのことから、このタニタのホームページにある脂肪1kgを減らすのに7,200kcalが必要というのも、この「3,500kcalルール」からきていることがわかります。
3,500kcalルールの利点。
なにもこうしたサイトだけでなく、この3,500kcalルールは、栄養学の教科書や科学論文でも引用されている非常にポピュラーなものです。
このルールの利点を一言であらわすなら、何と言ってもそのシンプルさにあります。
ポンドではわかりにくいと思うのでここから先はg(グラム)を使用していきます。
先ほど1ポンドは453.592gであるとご紹介しましたが、わかりやすく500gにしてしまいます。
1ポンド減量するのに必要なカロリーは3,500kcalだったので計算しやすく3,500kcal=500gとします。
つまり3,500kcal消費すると500g体重が減るとします。
3.3,500kcalルールの使い方。
3,500kcalルール適応の具体例①。食事で痩せる。
このように仮定した上で以下のような目標をたてたとします。
1,000g(1kg)おとすことが目標なので、消費すべきカロリーは3,500×2=7,000kcalとなります。
この7,000kcalを2週間(14日間)でおとすのが目標なので、1日当たりに消費すべきカロリーを計算すると、
7,000(kcal)÷14(日)=500kcal
であることがわかります。
では1日のカロリー収支を-500にするというのは、具体的にどうすれば良いのかというと、、、
1つは、単純に今まで食べていたご飯から毎日500kcal分を抜くと達成できます。
約500kcalの食べ物はというと以下のようなものになります。
- ラーメン一杯(醤油・塩):450kcal
- パスタ(和風・ペペロンチーノ):500kcal
- 寿司(8貫):590kcal
上記のような食べ物をもし食べていたのであれば、毎日1食それを我慢すれば良いことになります。
どうでしょうか?
と思う方もいれば
という方もいるかもしれません。
安心してください。他にも方法はあります。
具体例②。運動で痩せる。
ポイントとなるのは、2週間で1kg痩せるためのカロリー収支が1日-500kcalということです。
冒頭でもあげたように
人が痩せるのは摂取カロリーと消費カロリーの差
です。
何も摂取カロリーを減らすしか手段がないというわけではありません。
摂取カロリーを減らすのが大変なら、消費カロリーを増やせば良いのです。
例えば食事量は全く変えずに、運動だけで毎日500kcalプラスで消費するという例を考えてみましょう。(消費カロリーを増やす。)
運動で消費するカロリー量は個人差があり、その人の体重によっても異なるので一概には言えませんが、
参考値として、体重50kgの人が1日で500kcal消費したいのであれば
- 1時間半程度のランニング。
- 1時間程度の水泳。
- 2時間程度の踏み台昇降。
といった運動内容になります。
(どの運動もおおよそ500kcalを消費する運動となります。)
どうでしょうか。
まあ、、、何というか、見ての通りというか、、、
個人的に感じるのは毎日これだけの運動を今までの生活にいきなりプラスするのは大変ですね^^;(笑)
学生さんであれ、社会人であれ、なかなか今の生活習慣にプラスでこのような運動を付け加えるのは難しいと思います。
具体例③。食事と運動の組み合わせで痩せる。
ただ先ほども書いたように、1日の収支を-500にすれば良いのでバランスよく、毎日の食事量を-250kcal、運動で+250kcal消費するといった組み合わせでも構わないのです。
つまり摂取カロリーを減らすのと消費カロリーを増やすといった行動の両方を取り入れる方法です。
250kcalに相当する食べ物の例。
- うどん1人前(230g):240kcal
- ハンバーグ1人前(120g):270kcal
- ハンバーガー(小 100g):250kcal
250kcalを消費する運動の例。
- ランニングなら35分程度。
- 自転車なら50分程度。
- ウオーキングなら1時間半程度。
といった中から食事と運動で1つずつ選び、その組み合わせで毎日のカロリー収支を-500kcalにすると良いことになります。
具体例④。期間にゆとりをもってみる。
更に言うと、もしこれでもきついと感じる方は1kg減らすための期間を2週間ではなく、,もっとのばしてみることを検討するのも1つの方法です。
先ほどは2週間で1kgの減量目標を立てたは良いものの、カロリー収支の計算で導いた1日あたりの具体的な必要な行動(食事量の減少・運動量の増加)がきつそうだと感じたとします。
それでは、これを仮に倍の期間の4週(28日)で1kgの減量するといった少し緩めの目標に変更するとどうなるでしょうか。
1kg=7,000kcalを28日間で減らす。
7,000÷28=250kcal
1日あたりのカロリー収支を-250kcalにすれば良いことになります。
これを食事と運動の両方を用いて達成するとなると、それぞれ125kcalの摂取カロリー減と消費カロリー増を目指せば良いことになります。
125kcalに近い食べ物の例。
- 納豆1パック(50g):100kcal
- かまぼこ1本(150g):140kcal
- 食パン6枚切り1枚(60g):160kcal
125kcalの運動の例。
- ランニングであれば18分程度
- 水泳であれば17分程度
となります。
どうでしょうか。
さっきと比べるとだいぶハードルが下がったように感じないでしょうか。
4.3,500kcalルールの注意点。
ただ、この3,500kcalルールには注意点もあります。
それは、今回計算した通りになるとは限らないということです。
3,500kcalルールは万能ではない。
例えば、食事量を減らすという方法ですが、これはあくまでも食事量を減らしたということ以外は何も変わっていないのが前提となります。
単純なことのように聞こえるかもしれませんが、これがすこし厄介になります。
以前に私のブログでも少し触れましたが、NEATというものがあります。
(参照:過去のブログ→めんどくさがり屋の人にもおすすめ。肥満解消につなげる運動方法とは?)
理論値通りにならない理由① 食事をとると運動量が減少する場合がある。
NEATとは普段の何気ない活動で消費されているエネルギーのことをさします。
例えば先ほどの例で、毎日の食事を500kcal分減らしたとします。
そうすると、その摂取を減らしたエネルギーに身体が無意識に適応して、動く量を知らず知らずのうちに減らす場合があります。
例えば、食事量を減らす前に比べて
- 家で座っている時間が長くなる。
- 通勤や通学の電車で今まで立っていたが、座りたくなる。
- 仕事や学校帰りに寄り道をしていたのをしなくなる。(歩く量の減少)
といったように、摂取カロリーを減らすとそれに適応して、消費カロリーを減らそうとする行動が無意識の内に増える場合があります。
厄介なのはこれが無意識の内に起こり得るということです。
カロリー収支を計算し、食事量を減らしたのになぜか全然体重が減らない。なんで???
となるケースにはこういったのが原因となっている場合があります。
理論値通りにならない理由② 初心者は短期間で筋肉量が増える場合がある。
また消費カロリーを増やすために運動を取り入れた場合でも注意点はあります。
それは今まで運動習慣が少なかった人などでは、比較的短期間でも筋肉量が増えることがあります。
筋肉量が増えると当然ながら体重は増加します。
そのため、ダイエットの初期には3,500kcalルール通りに経過せず、思ったよりも体重が減少しないといったケースもあり得ます。
ただこちらのパターンは比較的悪いものではないと私は考えています。
加えて、筋肉が増えるというのは本来そんな簡単なものではないので、ダイエット初期くらいでしかあまり認められないと考えられます。
(一般的には体脂肪を減らすのと筋肉量を増やすのとでは圧倒的に脂肪を減らす方が容易です。)
5.結論:3,500kcalルールは有用なツールとなり得る。
3,500kcalルールは役に立つの?
その他にも代謝の変化や様々な要因が重なり、3,500kcalルールがうまくいかないケースというのは多々あります。
こういったことから、理論値と現実の値との間にギャップはどうしても生じます。
では、この3,500kcalルールは結局はあまり使えないものなのかというとそういうわけではありません。
結論を言うと、こうしたデメリットを踏まえても、このルールは非常に有用なものでダイエットするなら取り入れるべきものであると私は考えています。
なぜなら先ほどあげたデメリットやその他紹介できなかった点に関しても、
からです。
何にでも言えることかもしれませんが、それ1つで全てが解決する万能な道具や方法があるわけではありません。
大切なのは、それぞれのメリットやデメリットを把握したうえで、適切な場面で適切な方法(道具)を使うということです。
そうした工夫点といった実践部分も今後どんどん取り上げていきたいと思います^^
【今回のブログ内容の参照文献】
・K D Hall.What is the required energy deficit per unit weight loss? . Int J Obes (Lond). 2008 Mar
・The 3,500 Calorie Rule – The Magic Formula?
・エリック・ヘルムス著.肉体改造のピラミッド.2021.ATHLETE BODY.jp