“ズルい”って思っちゃう身体の話──でもそれは“はじまり”の話

「運動って、なんかズルくない?」

そう思ったことがある人にこそ──。

①「センスの塊と、センスの別居」

「運動神経いいね」
って言われたことある人いるかな?

反対に「運動神経わるいね」って言われことがあったり、
自分でそう思い込んでる人もいるかもしれない。

運動神経格差

何をやってもにくらしいほどに上手くできてしまう

“センスの塊星人”

反対に何をやってもどんくさく見えてしまう

“センス別居中星人”

 

あの差って何だろう……?

って思ったこと、ない?

 

②“太りやすさ”は空気のせいじゃない?

運動に限らず、あるよね。
「私って食べたら食べた分だけ太る」
って人もいる。

体質格差

過去には
「私は空気を吸ってても太る」
っていう名言(迷言?)を残してくれた人もいた。

 

そんな果敢に空気と戦ってる人がいる一方で、
「私って昔から食べても食べても太らない体質なんだよね〜」
って人もいる。

 

なんだそれ……。
世の中不平等だな……。

って思う瞬間。ない?

 

なんで、こんなに違うんだろうね。
“センス”や”体質”って言葉を使えば、不平等も許されて良いの?

不平等も許されてる身体のこと。

だけど……。

センスの不平等も、体質の不平等もやっぱりあるらしい。

 

そんなとこにゆるさはいらない。

そこはもう、古典物理学並みの規律でお願いしたい。

……でも現実は”ゆる規律”らしい。

ズルい。

バカヤロウ、って言いたくもなる。

身体の不平等

今日は、そんな体質も含めた“身体の不平等”について、すこし話してみたいと思う。

──絶望?いやいや、希望の話だよ。

 

私はバッドエンドな映画って苦手なんだ。
何か苦手なんだよね。

だからこんな、「沈んだ読後感の予感しかしないもの」は私の中では御法度。

真面目な話をすると、このブログって運動に苦手意識がある人に向けて書いてる。

その延長線上でガチ勢の人にも時々届けば良いかなー……って温度感のブログ。

 

じゃあなんで?

余計、運動嫌いになるよって話だよね。

あなたが悪いわけじゃないかも

これはむしろ運動にマイナスなイメージを持っている人にこそ、知っておいた方が良いかなって思ってるんだ。

というのも──

今の満足いかない現状って、
実はその人の“努力だけ”の問題じゃない可能性もあるから。

 

こう見えても、私は泥臭いことってわりと好きだったりする。

……と、いうよりは”好きになった”って方がしっくりくるかな。

 

でも、そんな泥臭さに踏み込むよりもさらに前段階。

 

そこに「ちょっとした不平等」が隠れてる。

そういう、やらしさのある現実を知っておくことって悪くないと思ってる。

不平等ってちょっとネガティブに聞こえるかもしれないけど、ちゃんと希望の話でもあるんだ。

不平等なんてあくまでも一要素

だから大丈夫。今日はそんな一面について触れるけど、当然ながらそれが全てじゃないから。

全然希望はあるし、腐る必要なんて全くない程度の不平等。

そんな鼻につく話じゃないと思う。

私の低い鼻なら、尚更ひっかかりどころか”かすりもしない”かもしれない。

それこそ不平等なことが全てだったら。
たぶん、私は今の仕事なんてとっくの昔に辞めてる。

だって「素早い損切り君」と「飽き性さん」を両肩に背負ってるような人間だから。

 

③“子どもの頃”に紡いだ歴史って大事

まず、前提として

【子どもの頃の色んな運動歴って大人になっても影響し続ける】

みたいなんだ。

三つ子の”魂”だけじゃない

勝手に名付けて、「三つ子の魂百まで」の運動バージョン。

 

っていっても、運動の場合は三つ子の時に決まるわけじゃない。

その時々のタイミングで”好ましい”って考えられてる運動の種類があるみたい。

 

子どもの成長ってホントはやいよね。

知り合いの子どもをみてると、「いや、入れ替わってない?」

……って感じるくらいに短期間で変わる。成長する。

そんな子どもの成長にも時期によって成長しやすい分野ってあるんだ。

その急成長期に合わせたタイミングで、その分野を高めるようにすると良いってされてるんだ。

運動神経が良いって言葉あんま使っちゃいけない?

例えば、冒頭の【運動神経の良さ】

ちなみに「運動神経が良い/悪い」って言い方……。

これってまあ、正しくないんだよね。
リハビリ学生の時にもそんなこと言われた。

けど私は使っちゃう。今回も使う。
伝われば良いかなマインドってことで。

先生、ごめんなさい。

神経は超ド級の早熟さん。

「運動神経の良し悪し」が決まるタイミング。

これってズバ抜けて早いんだよね。

 

実は”神経”って、生まれてからすぐに急激に成長してくって特徴があるんだ。

それで、かなり早い段階で【大人と変わらないレベル】までいってしまう。

他の分野と比べても、神経系の発達は断トツでトップクラスのはやさ。

神経の成長に関してはマセてる、生き急いでるってレベルじゃない。

大体6歳くらいにはピークに達しちゃう。

 

リニアモーターカーさえ尻目にかけてんじゃないかってレベル。

だから、生まれて6歳頃くらいまでに、色んな動きの経験を積むと運動センスが良くなる可能性が高いってされてる。

文献によっては12歳くらいまで?

文献によっては12歳くらいまでってされてたりもする。

 

……いや、それでも早いよ。

“元服”かって話。

今は令和だよ。
人生100年時代って言葉まで浸透してる時代だよ。

ちゃんとわかってる?

 

って言いたくなる。

運動の”センスの塊星人”と”センス別居中星人”の違いは、そんなはやい頃の時から影響してる場合もある。

あくまでも”そんな場合もある”ってところは強調しとくね。

 

④昔のぷくぷく歴と将来の話

次に太りやすいかどうか。

 

”空気を吸っても太る(?)人”

”食べても食べても太らない人”

 

これも子どもの時の体型が少なからず影響してる場合もあるみたい。

脂肪の量を左右する”脂肪細胞”

脂肪の量を左右する細胞で“脂肪細胞”ってのがあるんだ。

……いや、そのまんまだな。
その素直さ、見習いたい。

脂肪細胞の量は子どもの時に決まっちゃう?

でね、この脂肪の量を左右する脂肪細胞。

頑張ってダイエットして痩せても、大人の脂肪細胞の数は変わらないらしいんだ。

脂肪細胞の量は、子どもの時や青年の時期くらいにある程度決まっちゃうみたい。

(参考:Kristy L.Spalding et al:Dynamics of fat cell turnover in humans.Nature)

だから、子どもの時にぷくぷくしすぎてると、大人になってから太りやすい体質になるって言われてたりする。

それだけじゃなくて、子ども時代にぷくぷく歴があった人は大人になってから糖尿病(2型)のリスクと相関があることも報告されてるんだ。

(参考:Lise G. Bjerregaard, et al:Change in Overweight from Childhood to Early Adulthood and Risk of Type 2 Diabetes:NEJM)

 

何て無慈悲な……。

「人間!つまずくのは恥ずかしいことじゃない!立ち上がらないことが……恥ずかしいんだぞ」 by両さん

それが報われやすい世の中が良いのにな。

ぷくぷく歴と糖尿病リスク

ただ、このぷくぷく歴。

糖尿病のリスクに関しては、もし1回あったらアウトってわけでもないんだ。

ぷくぷく歴があったとしても、思春期くらいまでに解消できれば糖尿病のリスクは増加しないって報告もあるんだ。

思春期って体型だけじゃなくて、異様に人の目が気になる時期だよね。
もしかしたら、この時期にぷくぷくを気にしてダイエットした人も多いかもね。

世の中、ちょっとだけ上手くできてるね。

って言っても思春期のダイエットや痩せって、それはそれで大いに問題になる場合もあるんだけどね。

それはまた別の機会に必ず取り上げたいって思ってる。

 

思春期かー……。
私にもあったはず。

でも当時から”つかみどころない”ってのに近いこと言われてた気もするな。

私に関しては、”つかみどころのなさ”も子ども時代から脈々と受け継がれてきたのかもしれない。

私はもしかして、懐古主義者だったのか?

 

⑤不平等でもそれはただの”出発点の違い”

子どもの頃に

「どんな運動をしたか?」

「どんな体型だったか?」

 

それが少なからず今の「身体」に影響してる可能性はあるってこと。

言い訳にも使えるよ。けどそれ以上に……

これは時にちょっとした“ズル”や”言い訳”にも、使える話だったりする。

ついさっき私がしたようにね。

でも個人的には、それ以上に「努力不足」って言葉で片づけたくなる時にこそ、ちょっと思い出してもいいかもしれない。

あなたの努力不足のせいじゃない。
もしかしたら努力の方向性が違うだけかもしれない。

って。

 

だって、そもそもの出発点がちがうんだから。
……でも、その後の進み方は、今からでも変えられる。

 

私のつかみどころのなさも、”許される”つかみどころのなさで落ち着いてると思う……多分。

今を楽しむ、生きる

それに今回の子ども時代の話だってそれが全てじゃないしね。
あくまでも盛りだくさんある内の一要素。

そもそも、子どもの内にそんなの知ることなんてまずできない。

ましてや知ってたところで、大人になった時のために……って勤しむ子どもでいる”べき”なのかなって話になる。

私は「それはまた何か別問題」っていう風にも思ってしまう。

 

大人、子ども限らず、”今この瞬間”を楽しむことってホント大事だと思ってる。

⑥これからもとりあげるよ。

今日は”運動神経”と”太りやすさ”の2つの紹介。

けどこれ以外にも、子どもの時の経験や運動って他にもいっぱい大人になってから関わってくることがわかってるんだ。

そういう他のこととか、あるいは「それを踏まえてどうしたら良いのかな」って話も少しずつしてこうと思う。

 

⑦今日の小さな補足。

scammonの発育曲線



20歳の時を100%とした際に各年齢ごとにどの程度成熟しているかを表したもの。
本日、紹介したのは”神経型”。
神経系は主に運動の器用さや巧みさ、リズム感やバランス能力などにかかわる部分。
基本的なスポーツ動作や色んな動きを経験するのが良いとされてる。

糖尿病

糖尿病はひとたび発症すると治癒することはなく、放置すると網膜症・腎症・神経障害などの合併症を引き起こし、末期には失明したり透析治療が必要となることがある。さらに、糖尿病は脳卒中、虚血性心疾患などの心血管疾患の発症・進展を促進することも知られている。
(中略)
糖尿病の病型は、(1)1型糖尿病、(2)2型糖尿病、(3)その他、(4)妊娠糖尿病に大別できる。
(引用:厚生労働省.糖尿病)
↑クリックでホームページへ。

参考文献

Kristy L.Spalding et al:Dynamics of fat cell turnover in humans.Nature
→脂肪細胞のところの話で参考。

・Lise G. Bjerregaard, et al:Change in Overweight from Childhood to Early Adulthood and Risk of Type 2 Diabetes:NEJM
→糖尿病のところの話で参考。

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