部分痩せの迷信!お腹を引き締める100回の腹筋が効果なし!?

ぽっこりお腹が気になる方も多いかもしれません。

 

私もまだ若い?つもりですが、数年前から同年代でも体系の変化がみられるような年齢になったなと感じます。

 

10代のころはやせていたのに、太ってしまった人。

 

一見、やせているように見えても、実はお腹だけがぽっちゃりしている、、、。

 

お腹は目立つ部位ですが、それに限らず、引き締まった身体に憧れる人は多いかもしれません。

 

 

お腹を引き締めたい。

 

二の腕を引き締めたい。

 

太い足を引き締めたい。

 

などなど。

 

そして、そんなぽっちゃりした部位を引き締めたくて、その部位を集中的に筋トレで引き締めようとした人もいるかもしれません。

 

ただ、実はこうした部分痩せは、基本的にはできないというのが通説です。

 

今日はその中でも、腹部を例に挙げて、部分痩せはほぼ不可能といったことについてご紹介したいと思います。

 

 

1.毎日、腹筋100回以上でも部分痩せはしない。

 

あなたは1日腹筋100回やれば、お腹は引き締まると思いますか?

 

実は、科学的根拠を基にすると、腹筋は1日100回やったところで、引き締まらないと考えた方が良いという結論になります。

 

実際に、1日100回以上の腹筋運動を行って、お腹の脂肪が減るかどうかを調べた研究があります。

 

その研究は、18歳から40歳までの健康で座りがちな24名の参加者(男性14名、女性10名)を対象に行われました。

何もしない群と、7種類のお腹の運動を10回×2セット、週5日、6週間行った群に無作為に割り付け、それらを比較した研究です。

 

7種類のお腹の運動を10回×2セットなので、1日に140回行ったことになります。

 

しかし、その結果はというと、何もしなかった群と比べても、体重・腹囲・体脂肪率などは有意差を認めなかったいうものでした。

(参照:Vispute, Sachin S et al:The Effect of Abdominal Exercise on Abdominal Fat. J Strength Cond Res. 2011)

 

 

Table 3: Body mass and composition before and after 6 weeks of abdominal exercise in control (n = 10) and exercise (n = 14) groups.

(引用:Vispute, Sachin S et al:The Effect of Abdominal Exercise on Abdominal Fat. J Strength Cond Res. 2011)

 

1日140回もお腹の運動をできる人は、なかなかいないと思いますが、仮に頑張ってこれだけの運動を行ったとしても、お腹は引き締まらないようです^^;

 

 

私個人としては、努力は報われてほしい思うタイプですが、誤った努力は実を結びません。

 

 

また別の研究を参照しても、こうした結果は珍しくありません。

 

 

2.腹筋運動ではお腹の脂肪は減少しない。

 

27日間の腹筋運動トレーニングが、脂肪細胞の大きさと脂肪率に及ぼす影響を調べた研究があります。

 

この研究では、27日間の合計で5,004回もの腹筋運動を行いました。

 

それでも、結果としては、体重、総体脂肪、腹囲と変化はしなかったことが報告されています。

(参照:Frank I. Katch et al:Effects of sit up exercise training on adipose cell size and adiposity. Research Quarterly for Exercise and Sport Volume 55, 1984)

 

 

一応は、探せば若干の体脂肪が減少したといった研究報告もあるのですが、それでも、統計上、意味のある差ではなく誤差の範囲であるといったものです。

 

3.部分痩せは迷信?

 

実は、これはお腹に限らず、他の部位でも似たような結果であることが確認されています。

 

そのため、気になるぽっちゃり部位を鍛えての部分痩せというのは、現実的にはほとんど期待できないというのが、現在の通説なのです。

 

もし痩せたいのなら、トレーニングによる部分痩せではなく、一貫したエネルギー不足(カロリー収支のマイナス)を作り出さなければ一般に有効とは考えられていないのです。

(参照:Vispute, Sachin S et al:The Effect of Abdominal Exercise on Abdominal Fat. J Strength Cond Res. 2011)

 

太った人のビフォー・アフターで、筋肉質になって見えるのは、全身の体脂肪が減少しなければ叶いません。

 

ただ、過去ブログでも取り上げましたが、急激な減量では、一見、筋肉質になったように見えても実は減量前より、筋肉量は随分と落ちてしまっているケースがほとんどです。

 

単純に脂肪で隠れていた筋肉が表にでてきて、あたかも筋肉質になったように見えるだけで、体組成的には筋肉量自体は相当に落ちてしまっているといったことが往々にしてあり得ます。

 

勿論、部分痩せの研究に関して今後、何か覆す報告がでる可能性も否定できませんが、現時点では不可能であり、期待しないことが良いと私は考えます。

 

もし、部分痩せがしたい、気になる部位を引き締めたいのなら、急がば回れではありませんが、なるべく筋肉量を落とさないように全身の体脂肪を落とすといった方が、何倍も現実的です。

 

なるべく筋肉量を維持した上で、減量・体脂肪を減らすには、ハイペースとならない程度の範囲でカロリー収支のマイナスをキープし、併用して全身の筋トレを行うという方法論が有効です。

(過去ブログ参照:短期で結果が出るダイエット法には要注意?成功のポイントは『減量を焦らない』)

 

お腹を引き締めるトレーニングというのは、あくまでも現時点で体脂肪が一定水準まで低い人が行うことで、見栄えがよくなります。

 

少なくとも、体脂肪が多い人が、その部位のトレーニングを行ったからといって、その部位の脂肪が減少したり、引き締まるといった現象はほぼ期待しない方が良いでしょう。

 

腹筋は、お腹の脂肪を減らし、ウエストラインを整える効果的な手段として、宣伝されることが多いと思います。

 

しかし、科学的にみると、こうした宣伝は少し眉唾で見た方が賢明と言えます。

 

そうした”部分痩せ信仰”は捨て、全身のコンディションを整えることに焦点をあてることを私はオススメします。

 

科学的見地、フィットネス業界では前々から指摘されている通説ではあるのですが、意外と一般的にはまだまだ浸透していない内容だと感じたので、今回取り上げさせていただきました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA