今日は少しくだけた話題を取り上げたいと思います。
別にふざけているわけではありません。
真面目にとりあげようと思います(笑)
というのも、ある日ネットサーフィンをしていると
マッチョな人は臭い。
体臭がひどくなりそうでムキムキになるのに抵抗がある。
といった趣旨の内容を目にしました。
私は自身はというとあまりそういったことを気にしたことはありませんでした。
ただ、言われてみると確かにわからないでもない主観だなと感じました。
あまりにムキムキマッチョだと、見た目的にも男くさく見えてしまうのもあるのかもしれません。
そのため男女関係なく、
本当にマッチョは臭いのか、、、
本当だとしたら何か対策はないのか、、、
反対にこれが間違っていたら、世の中のマッチョの人はとんだ言いがかりで可哀想だな、、、
と感じ、興味本位で軽く調べてみました。(笑)
今回のブログは
- マッチョと体臭の関連について。
- 体臭に影響を与える因子について。(体臭がきつくなる要素とは)
- マッチョになろうとする上で、体臭で気を付けるべきこととは。
といった内容を取り上げています。
1.マッチョと体臭の関係について。
早速本題に入っていきたいと思います。
マッチョであること自体は臭いことと関係ない。
私なりに調べた結果、、、
結論としては
という考えに至りました。
ただ、それだけでは終わりません。
注意点も見つかりました。
マッチョになろうとする過程で体臭がきつくなる可能性はある。
それはマッチョだからといって臭いわけではないものの、
マッチョになる過程で体臭がきつくなる可能性はある
といったものです。
というのも
からです。
そのため、マッチョな人がみんな臭いというわけではないのですが、気を付けないとマッチョになろうとする過程で知らずの内に体臭がきつくなってしまう可能性があることがわかりました。
もしかすると、誤った方法でマッチョになろうとして(なって)、自らの体臭をきつくしてしまった人が一定数いるのかもしれません。
そしてそういったマッチョの人に出会ってしまったが故に、マッチョな人は体臭がきついといったイメージが少し広まってしまったのではないかということです。
順を追って説明していきたいと思います^^
マッチョと体臭の関係。
まずマッチョであること自体と、きつい体臭が関係しているのかという事実についてはわかりませんでした。
ホントざっとですが、論文を少し探してみました。
ただ私が調べた中では、マッチョな人と体臭の関連を示唆するような論文を見つけることはできませんでした。
2.体臭は何によって決まってくるの?
ただ、そうしたことを調べている内に気になる内容をいくつか見つけることができました。
体臭に影響を与える因子とは。
人の体臭に関わる因子は沢山の仮説がありますが、まず大きく影響している因子として遺伝子が挙げられています。
一卵性双生児と二卵性双生児を比べた研究で、一卵性双生児の匂いの方が一致度が明らかに高かったことなどから、体臭の個性として遺伝子が大きく関わっていることが示唆されています。
遺伝子によって、ある程度のその人の体臭の個性が決まるというのは面白いものですね^^
ただ、今回知りたいのはマッチョは臭いのか、臭くないのかといったことです。
当然ながらいくらマッチョになっても、生まれ持った遺伝子情報が変わるわけではないので、これは無関係だと考え、今回はそれ以上深堀することはしませんでした。
そうした遺伝子のように生まれ持った先天的な影響因子とは別に、後天的に体臭を決めるであろう因子についてもいくつか仮説が立てられているのでそれをご紹介します。
(文献内では環境因子と表現されていました。)
その後天的に体臭に影響を与えていると考えられる因子とは
- 生殖能力
- 情緒状態
- 感染症および疾病
- 食事
といったものでした。
(参照:Jan Havlicek et al.Chemical Signals in Vertebrates 11 (Environmental Effects on Human Body Odour). springer.2008)
生殖能力に関しては女性の月経周期の中で排卵期の時の匂いが最も魅力的に感じるといったものでした。
そして次の情緒状態、、、つまりは感情によっても人の体臭は変化することが示唆されています。
感情が体臭に影響を与える?
これはとある研究で、総合格闘技の選手の匂いをサンプルに比較したものでした。
大まかな内容としては、試合の約1時間前と直後にその選手の匂いのサンプルを採取するといったものでした。
それらを比較をした結果、
そして同論文で、それは参加者のネガティブな情動状態を媒介としていることが明らかになったと報告されていました。
(参照:Jitka Fialová .Losing stinks! The effect of competition outcome on body odour quality. Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci. 2020)
感情が体臭にも影響を与えるというのは何とも不思議な話ですね^^
私は考えたこともありませんが、実に面白い内容です。
健康状態と体臭について。
そして次の感染症および疾病についてですが、これは比較的有名な話でいうと糖尿病があります。
糖尿病の方の尿はブドウ糖が混ざって排出されるため、甘い匂いがするようになることがわかっています。
(その他にも尿が泡立つといったことも良く言われます。ただ補足として、尿がそういった特徴がないからといって糖尿病ではないということにはならないのでそこは注意が必要です。)
体臭とは少し違うかもしれませんが、そうした身体から排出されるものの匂いが変化するといったこともある種、匂いの変化ととらえても良いのではないでしょうか。
それだけでは少し弱いので、他の例をあげると、とある観察研究からも病気によっては時間の経過とともに、人の体のさまざまな部位から特徴的な臭いを発散するようになることが示唆されているといった報告があります。
健康な人にエンドトキシン(リポ多糖)というものを注射して、自然免疫系を活性化させた人の体臭を調べた研究があります。
そのため、こうした自然免疫反応による体臭の変化=病気が匂うといった表現がされるようになった背景もあるようです。
(参照:Jan Havlicek et al.The scent of disease: human body odor contains an early chemosensory cue of sickness . Chem Senses. 2006)
見ての通り、ここまでの因子自体はマッチョが臭い理由とは関連が少ないかなと思います。
あえて結びつけるとしたら、私の過去ブログで過剰な運動が免疫機能の低下をもたらすことをご紹介しましたが、マッチョになるための過剰なトレーニングが免疫機能に悪影響を与え、体臭にもつながる可能性があるとも言えなくもないかもしれません。
仮説、推測の域をでませんが、、、。
ただ次の最後の項目が重要です。
最後の項目が私が1番引っかかった部分です。
それが食事です。
食習慣が体臭に影響を与える。
実はこれが、マッチョは臭いと思われ(言われ)てしまう負のイメージが形成されるきっかけになってしまった原因の1つではないかと私は思います。
食事内容(食習慣)によって人の体臭は変化すると言われています。
ただ特定の食べ物(食事成分)がどのように体臭を形成するかについては、ほとんど分かっていないというのが現状のようです。
ただそんな中で気になった論文を1つご紹介したいと思います。
それが肉類の摂取が体臭に影響を与えるといったものです。
肉類の摂取が多いと臭くなる?
この研究は17名の男性が2週間「肉食」または「非肉食」の食事をし、食事の最後の24時間の間に体臭を採取するといった内容でした。
そしてその匂いサンプルをホルモン避妊薬を使用していない30人の女性に、快感、魅力、男性らしさ、強さといった項目で評価してもらいました。
1ヶ月後に同じ男性に、それぞれ前回とは逆の食事療法を行い、同じ手順を繰り返しました。
(参照:Jan Havlicek et al.The effect of meat consumption on body odor attractiveness. Chem Senses. 2006)
反対に言うと、肉食の食事をした時はそうでない時と比べ、体臭が良くなかった(臭かった)ということになります。
このことから、赤肉の摂取は、体臭の快楽性の認知にマイナスの影響を与えるといったことが示唆されます。
3.マッチョになると臭くなるかもといったイメージがある理由とは。
ここまでの情報を基に本題部分についてまとめていきます。
マッチョな人の中には必要以上に肉類をとりすぎている人がいるのかも。
筋肉をつくるためには、当然ながらたんぱく質が必要になります。
そしてマッチョな人は、当然ながらたんぱく質を意識的に多くとるため肉類を沢山とることになります。
もしかしたら、普通や痩せ体型の人と比べ、そうした肉類の過剰な摂取といった食習慣によって体臭がきつくなってしまったケースが一定数いるのではないかと思います^^;
過剰な糖質制限は臭くなる?
またもう一つ気になったのが糖質制限です。
糖質制限はダイエットなどでもよく取り上げられ、人によっては糖質はわるいものであるといった認識をお持ちの方もいるかもしれません。
ただ極端な糖質制限は体臭の原因にもなる可能性があることが指摘されています。
それを示唆するものとして以下のような研究がありました。
健康な男性7名に通常の食事と低炭水化物食をそれぞれ3日間摂取してもらい、その後、運動をしてもらいます。
この論文内での食事と運動内容は以下のようなものでした。
- 通常の食事:炭水化物60%、脂肪25%、タンパク質15%。
- 低炭水化物食:炭水化物5%未満、脂肪50%、タンパク質45%。
(食事のカロリーは両方とも同一量) - 運動:運動最大酸素摂取量の50%で60分間、サイクリングエルゴメーターを漕ぐ。
そしてその運動後の血液を採取したところ、低炭水化物食を摂取した場合の方が血漿アンモニア濃度が高かったというものです。
(参照:D Czarnowski.Effect of a low-carbohydrate diet on plasma and sweat ammonia concentrations during prolonged nonexhausting exercise . Eur J Appl Physiol Occup Physiol. 1995)
アンモニア濃度について。
アンモニアというものは通常は毒素として尿で排出されます。
しかし、体内で分解できないほど多くアンモニアが作られたりすると、血液に乗って全身を巡り、ガスになって皮膚からしみ出すようになります。
つまり血液中のアンモニア濃度が高いということは、端的に言うと体臭がきつい状態にあるということになります。
つまりこの研究を参照すると、
ことが示唆されているのです。
糖質は大事なエネルギー源でもある。
適切な知識があればトレーニングをする際には糖質は非常に重要なものであることがわかります。
糖質が不足するとトレーニング時のパフォーマンスが落ちることから、トレーニング効率も悪くなります。
我流のボディメイクで体臭がきつくなってしまった?
しかし、マッチョな人の中にはもしかすると、我流で糖質や炭水化物を過剰に減らし、たんぱく質を多くとるといった食事習慣の中でトレーニングに励んで筋肉をつくった方もいるかもしれません。
こういった人は危険かなと思います。
先ほどの肉類の摂取が多いのに加えて、炭水化物も極端に抜いていると先ほど紹介した論文を参照するならば、体臭がきつくなる可能性が高いことがわかります。
そのため、今回私が調べた範囲ではマッチョであること自体が体臭がきついことと関連を示した論文などは見つけることができませんでしたが、このようにマッチョになろうとする過程と体臭がきつくなる過程にはある種の共通点があるように感じました。
そして繰り返しにはなりますが、体臭がきついというのは、なにもマッチョであること自体が原因ではないと考えます。
ただ、今まで紹介したように誤った(?)方法でマッチョになった方は体臭がきつくなってしまっている可能性があるのではないかと感じました。
4.おわりに。
今日ご紹介した内容は、興味本位で調べていた私自身も少し考えさせられるものでした。
何事も極端なことはせず、バランスよく、そして基礎をおろそかにしないことが自身の体臭をひどくしないためにも重要であると考えさせられるものでした。
今まで私はトレーニングと体臭の関係についてはあまり考えたことがありませんでした。
ただ本日ご紹介した内容などを参考にすると、ムキムキになるにしても、ダイエット・減量をするにしても体臭がきつくならないように気をつけることも必要だなと感じました。
女性であればなおさらですが、誰も自分の体臭がきつくなるのは嫌ですもんね^^;
皆さんは自分や人の体臭についてはどうお考えでしょうか。
一度、体臭といった観点からも、食習慣や普段のストレス、生活習慣を見直してみるのも面白いと思います。