バイアスの克服!確証性バイアスとの闘い。

今日は少しバイアスについて書いていきます。

このブログでも度々バイアスといった言葉を使用していますが、バイアスとは偏りのことを意味します。

「バイアスがかかっている」=「考えや見方が偏っている」

といったように使われます。

バイアス(cognitive bias)は認知心理学や社会心理学の分野でよく使用されますが、いわゆる固定観念のようなものです。

今日はそんなバイアスの1つである

 

「人は見たいものしか見ようとしないし、信じたいことしか信じようとしない」

 

といった性質をもつ確証性バイアスについてご紹介します。

 

・問題を解いて、確証性バイアス体験。

 

突然ですが問題です。

ここに4枚のカードがあります。

カードの特徴と問題は以下の通りです。

  • カードの片面にはアルファベットが、もう片面には数字が描かれている。
  • 「一方の面が母音なら、もう一方の面は偶数である」といった仮説があります。
  • この仮説が本当に正しいかどうかをこれらのカードを数枚裏返して確かめたい。
  • 裏返す必要のある最小限のカードはどれになるでしょうか?

 

答えは↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実はこれは確証性バイアスの特徴を表す非常に有名な問題ですが、多くの人はこの問題の答えとして

「A」と「4」

を選ぶと言われています。

 

しかしそれは不正解であり、

正解は

「A」と「7」

なのです。

答えを一回知ると簡単なのですが、こうした間違いは誰もが陥りやすい一種の罠で、確証性バイアスが働いているとされています。

ちなみに、この問題の正答率は4%程度のようです。

私はというと過去に初めてこの問題に触れた際は見事に間違えました(笑)。

ではなぜこの問題は簡単そうに見えてそんなに間違えやすいのでしょうか。

 

・人は正しいという情報を中心に集め、仮説が正しくないといった情報の確認がおろそかにしがちになる?

 

再度振り返るとこの問題はこの4枚のカードに対して

「一方の面が母音なら、もう一方の面は偶数である」

といった仮説を確かめる、言い換えると仮説の検証をする問題でした。

まずは「A」を選ぶまでは間違いありません。

仮説の真偽を知るには、母音のカードの裏が本当に偶数であるかどうかを確認しないことには始まらないからです。

しかし次に引くカードが問題です。

ついこの流れで偶数のカードの裏を確認したくはなるのですが、それが誤りとなってしまいます。

なぜなら仮に4といった偶数のカードの裏が母音であったとしても、奇数のカード(7)の裏が母音であるといった可能性が残るからです。

そのため「A」と「4」を選んでしまうと、奇数のカード(7)の裏が母音である可能性を排除しきれず、仮説の証明にはなりません。

 

つまりは、

“仮説が正しくない”という情報を確認しないとその仮説が正しいかどうかは証明できないのです。

 

そのため、この問題で言うと1回目はまず仮説が正しいかどうかを確認するために「A」を裏返しましたが、

その次に裏返すべきカードは、仮説を正しくないかどうかを確認するために「7」のカードを裏返すことが正解となります。

2回目に「4」のカードを裏返すという行為は、仮説の正しさのみに着目した行為であり、先ほど説明した通り、7のカードの裏が母音である可能性を排除しきれず仮説の証明まで至りません。

 

これは何を意味するかというと、

人は仮説検証状況において、仮説を反証しそうな事例よりはそれが正しいかといった事例を探索する傾向があることを意味しており、こうした認知の偏りを確証性バイアスと呼びます。

それは言い換えると、人は仮説に対して合致・肯定するような情報のみを集めがちで、仮説に反するような情報は集めようとしない性質があることを表します。

正答率4%のこの問題を例にしても、仮説を否定する反証情報についても考えるということは意識しない限りは4%程度の人しかできないとも言えるのかもしれません。

これは私も実体験から非常によくわかる気がします。

ついつい私も自分の考えに肯定的な意見や証拠ばかりを集めてしまいますが、大事なのはその仮説を反証するような情報もしっかりと客観的に評価しないといけません。

逆に言えば一部知り合いや他人を見ていても、すでに結論ありきだったり、明らさまに自分の意見を支持するものでないと聞こうとしないし、それ以外は過度に否定してしまう人は確かに心あたりがあります。(汗)

私に限らず皆さんもそういった人を見たことのある経験はお持ちではないでしょうか。

自分にとって耳ざわりの良い言葉は正しくて、耳の痛い話は間違っていると無意識下で判断してしまう、、、

こうした状況はどうしても自分で陥っていると気づきにくく、第3者からだと分かり易い気がしますね。

以前に科学か非科学かを決める1つの要因として反証可能性について触れましたが、この反証部分にもしっかりと客観的に目を向けないといけません。

これは自分で気づいて修正することは非常に難しいですね^^;

・おわりに

 

私も過去を振り返ってみて、今となっては考えが偏っていたなと感じる出来事は確かにこうした、仮説が正しくないといった情報の確認をおろそかにしていたことから起こっていた部分も多分にあった気がします。

やはりこういった自分の考えだけに固執することを避けるためには、普段から色んな人の考えにも触れたり、脊髄反射のように反応するのではなく、ある情報の肯定・否定する意見の両方ともになるべく客観的な仮説検証を積み重ねる努力や意識が必要だと思います。

後は単純に”人の振り見て我が振り直せ”が良いのかなと勝手に思っています。(笑)

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