今日は運動を取り入れる上で、どんな運動であっても共通する、運動をするなら絶対に意識しておきたい重要事項3選についてご紹介したいと思います。
最初にことわっておきたいのですが、今回は普段の私の実務経験も交えた主観が強く入っています。
そのため、一意見としての参考程度に読んでいただければと思います^^
早速本題に入ると、
その運動をする上で決して欠くことのできない重要事項の3つとは
- 継続する。
- フォームの徹底。
- ケガをしない。
です。
なぜ、この3つなのかについて上から順にふれていきたいと思います^^
1.運動の継続
継続なくして達成なし。
まずは何といってもこれですね。
運動の継続、、、まずはこれがないと始まらないといっても過言でないくらいに本当に重要な原則となります。
ただ同時に最も難しいのもこの運動の継続になります。
厳しいことではありますが、基本的に運動のメリットを得たいのであれば継続なくして、その達成はほぼあり得ないのが現実です^^;
これは普段の業務を行っていても強く感じることですが、骨折後のリハビリであろうと、特別なきっかけなく慢性痛を抱えている患者さんであろうと、痛みがなくてパフォーマンスアップ目的の人であろうと、ある程度の期間の運動をしっかり継続している人とそうでない人とでは天と地ほどの大きな差がでてきます。
1回の運動では効果が期待できない。
例えば筋力・筋肉量アップにしても柔軟性の改善にしても1回の運動だけで効果がでることはありません。
細かい話をすると即時的に改善(向上)がみられる場合もありますが、あくまでもその場限りでそれが持続することはあり得ません。
痛みの治療に関してもほぼ同様であるケースが一般的です。
継続の偉大さ。
反対に1~数回の運動で効果が実感できなかったとしても、方法が間違っていなければある程度の継続ができていれば目に見えて良い変化がでてきます。
この変化に関しては正直、いまだに私自身、驚かされることが多くあります。
真面目に継続して取り組んでいる方の身体機能の改善・向上は目に見張るものがあります。
逆に言うと、余程間違った方法でない限りは継続ができれば、大きな効用を得ることが期待できると言えます。
継続するためのポイント。
ただ問題として運動に限らずですが、どんなことでも継続するというのは非常に難しいことです^^;
ただ難しいと書いて終わるのもあれなので、、、
ついでといっては何ですが、そんな継続するためのポイントとして1つご紹介したいものがあります。
それは
です。
このモデルは4つの内発的動機付けを高める心理的要因と身体的資源といったもので構築されています。
(引用:運動継続化の螺旋モデル構築の試み)
継続のために重要な4つの心理的要因。
このモデルでは
としているのですが、その重要な4つというのが
- 快適経験
- 目標設定
- 結果の知識
- 成功体験
です。
(参照:橋本公雄 他.運動継続の心理学 快適自己ペースとポジティブ感情.福村出版)
詳細はまた追々取り上げていきたいところですが、簡単にまとめると
運動の継続を達成するためには
- 快適経験→運動中の「楽しさ」や「面白さ」などのポジティブな感情を体験する。
- 目標設定→明確な目標が設定される。
- 結果の知識→運動やトレーニングを行った結果がどうか。フィードバックがある。
- 成功体験→成功体験が喜びとなる。さらなる運動意欲や自信を高める。
といったことが重要であるとしています。
これは私自身が日々、患者さんなどに運動を提供している時だけに限らず、自分自身に運動を取り入れ、続けている場合にも実感することと重なります。
例えば皆さんも運動をするにしても、
- 楽しくなければ続けたくなくなりますし、(快適経験↓)
- 目標が曖昧だったり、定まっていないとやる気がでないですし、(目標設定↓)
- こなしたトレーニングや運動が本当に結果となっているかわからないとモチベーションが維持しにくいですし、(結果の知識↓)
- 結果がでていると嬉しくて、もっともっとと上を目指したくなりますが、
反対に結果がでていないと、心が折れそうになる、、、(成功体験↓)
と感じる、もしくは過去に感じたことはないでしょうか。
事実、運動を提供する立場としてもこの4項目は普段の現場内で自然と意識するところでもあります。
そのため、もし運動をしても続かないという方はこの
- 快適経験
- 目標設定
- 結果の知識
- 成功体験
の4つの要因を一度振り返ってみるのも良いと思います。
また自分一人ではこれら4つの要因の改善やその環境づくりが難しいといった場合には、専門家に身体機能評価・運動指導などをしてもらうことで取り入れるというのも1つの手だと思います^^
2.フォームの徹底。
フォーム次第で効果に差が出る。
次に重視したいのがフォームの徹底です。
フォームに関しても本当に重要です。
なぜならフォームが少しでも変わると、同じトレーニングを行ったとしても効果が全く異なってきます^^;
普段私が運動の指導をしていてもこれは非常に難しく感じる部分です。
筋トレの王道のスクワットを例にすると。
例えば、誰もが1回は行ったことがあるであろうスクワット、、、。
実はスクワットは現存する中で最高の筋力トレーニング種目といわれることもあるくらいに非常に有用なものです。
スクワットに関しては私も普段の運動療法でよく用いる手段の1つです。
ただスクワットと一口に言ってもその種類や方法は勿論、フォームで気を付けるポイントが沢山あります。
スクワットに関しては細かいことを書くときりがないため詳細はまた別の機会に取り上げますが、フォームの違いによるトレーニング効果の例を1つあげると、有名なもので「沈み込む際に膝を出すか、出さないか」といったものがあります。
これは有名な話なのでご存知の方もいるかもしれませんが、スクワット動作で沈み込む際に
- 股関節を後ろに引くほど、大殿筋などのお尻の筋肉が使われる。
- 膝関節が前に出るほど大腿四頭筋などの太もも~膝にかけての前の筋肉が使われる。
といった特徴があります。
また少し余談ですが、皆さんはスクワットのフォームを間違った際に痛めやすい部位はどこかご存知でしょうか。
膝と連想した方も多いかもしれません。
しかし、実はスクワットで身体を痛めるリスクが高い部位の1つとして脊柱があります。
そう、脊柱とは背骨のことです。
スクワット動作は足の筋力トレーニングといったイメージが強いため、上半身に関しては注目されないことも多いのですが、実はスクワットで沈み込む際のフォームとして脊柱のフォームは非常に重要となります。
事実、スクワット時の脊柱のフォームを修正するだけで下半身部分の力の使われ方が変わり、トレーニング効果も大きく変わってきます。
このあたりに関してはまたしっかりとご紹介していきたいと思います。
このように非常に有名で一見シンプルそうに見えるスクワットといった種目1つとっても、気を付けるべきフォームの箇所は多くあることから運動時のフォームの徹底とは非常に奥が深く難しいものです。
正しいフォームの習得は想像以上に難しい。
初心者は適切なフォームを習得するまで4~6か月を要するといった意見もあります。
正しいフォームを習得するだけで半年・・・(゜_゜?)
長すぎてあり得ないと感じるかもしれませんが、これに関しては私の普段の実務経験からみてもあながち間違いでないと感じています。
勿論、様々なケースがあるので一概には言えませんが、なかなか妥当な期間かと思います。
ちなみに全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会では、
としています。
また同協会が推奨している体系的なトレーニング方法で筋力トレーニングのピラミッドといったものがあるのですが、それを参照するとまず一番最初に取り組む土台として運動学習、適切なテクニックの習得が不可欠な要素であるとしています。
まず最初にそれをクリアした上で初めて、それ以降のステップアップで基礎筋力や筋肥大、スキルの向上といったトレーニングを取り入れていくといったプログラム順序を推奨しています。
つまり、適切なテクニックを身につけることを全てのトレーニングの土台として位置付けているのです。
適切なテクニックの習得、、、これは言い換えると適切なフォームの獲得にほかなりません。
3.ケガをしない。
ケガは継続にも、フォームの徹底にも関係する要因。
そして最後の3つ目がケガをしないです。
これは先ほど紹介した、継続すること、フォームの徹底にも関係することになります。
まずどんな運動であっても、ケガをしてしまえば意味がありません^^;
スポーツにも言えますが、ケガをしてしまうと継続することは困難となります。
そもそも論として、もし運動やトレーニングをすることによって反対に身体をダメにしてしまうようであれば、それを続けること自体が問題であると言わざるを得ません^^;
また2つ目にご紹介した内容に繋がることですが、フォームの徹底はトレーニング効果を高めるためだけでなく、ケガをしないためにも必須の技術となります。
本当に細かなちょっとしたフォームの違いで運動やトレーニングの効果、ケガのリスクは大きく変わってきます。
私は現在、整形外科でのリハビリだけでなくパーソナルトレーナーとしても活動をしていますが、この3つ目のケガをしない、ケガの予防、さらには運動をケアとしての手段で使用するといった点に関してはおそらくリハビリ職の最大の強みであると感じています。
また別の機会に書いていきたいと思いますが、トレーナーにも様々な分野の種類があったり、同じように運動を取り入れている職業ではあっても、リハビリ職が得意とする領域とトレーナー職が得意とする領域には違いがあり、良くも悪くもそれぞれ特徴があり、その職種としてのカラーがあります。
どちらが優れている、劣っているというわけではなく、そもそも論として専門としている領域が異なることからくる考え方の傾向の違いといったものもあります。
ただそうした領域の違いを加味しても、今回ご紹介した
- 継続する。
- フォームの徹底。
- ケガをしない。
の3点は両方で活動している私からみて、共通する重要な要素であると考えています。
4.まとめ
正しい運動の知識とその実践は大事ですが、今日はそれより前の段階の運動をする上で欠かせない大前提について書かせてもらいました。
TVや雑誌、ネット等で日々色んな運動が紹介されていますが、どんな運動でもまずは自分に合ったものであることが重要となります。
そしてそうした運動を取り入れる際にも、最低限
- 継続する。
- フォームの徹底。
- ケガをしない。
といった3原則を意識していただくのがおススメですといった記事でした^^