それ本当?「運動したら痩せるは大間違い⁉」といった内容について5つ検証してみた。

何気なくスマホでニュースを読んでいたら、目に止まる記事があったのでそれについて少し書いていきたいと思います。

 

私が気になった記事がこちらです

 

燃やせる脂肪は5%が限界…科学的に見て「運動したら痩せる」が大間違いである理由

 

↑まずはこの記事(プレジデントオンライン)をクリックして読んでいただければと思います。

記事内容はタイトル通り、運動で痩せるのは科学的に間違いであるということを書かれた記事でした。そしてその根拠として論文も載せています。

 

本題に入る前に最初に誤解のないように言うと、、、

 

この記事内容について少し批判的に書く部分がありますが記事内容自体を非難しているわけでは決してありませんのでご了承ください。賛同できる部分にも触れていきます。

 

あくまでこの記事に対して、私自身が賛同できる部分と賛同できない部分について思うところを書いていきます。

 

なので私が今から書いていく事が絶対的な正解というわけでは勿論ないですし、この記事を読んだ上で私がその内容について別の視点を提供をすることで、視野を広げる一助になれば良いなと思います。

 

そして今回、この記事内容を選んだ理由としてはざっくりと言うと

  • 記事内容の検証が可能である。
  • 少し刺激的な書かれ方をしている。
  • バランスを欠いているように見受けられたのでその部分の修正及び補足。
    (あくまで私一個人の見解です。)

です。

 

ちなみにこの記事を書いた人のプロフィールを確認すると実際に医学部も卒業されている医師であり、2型糖尿病と肥満に特化した独自の治療を行っているようです。本も数冊出版されており、日本でも邦訳されたものがあります。

以下のような本を出版されているようです。

 

 

 

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私としては本の内容が気になったり、“独自の治療”という部分にも少し気になる(引っかかる)ところではありますが、わたし自身その本はまだ読んでいませんし、独自の治療については記事内では特に触れられていないので私も触れません。

今回はあくまで冒頭に挙げた記事内容だけに絞って触れていきたいと思います。

(内容は少し気になるので時間があれば機会を見つけて本も読んで、またその辺も将来的に取り上げてみるかもしれません。)

それでは見ていきましょう。

 

検証① 本当にどこの国でも、人が運動をする主な目的は体重を減らすことなの?

 

どこの国でも、人が運動をする主な目的は体重を減らすため?

 

筆者は肥満率の上昇は世界的な問題であることを指摘しています。

そしてその冒頭で

どこの国でも、人が運動をする主な目的は体重を減らすことだ。

(燃やせる脂肪は5%が限界…科学的に見て「運動したら痩せる」が大間違いである理由 より引用)

と書かれています。

 

どこの国でも人が運動する主な目的は体重を減らすこと、、、

 

私の感覚としてはどの国でも”減量”が運動をしていることの目的の1番にくるとは思えなかったので少し調べてみました。

 

するとスポーツ庁の世論調査では以下のような結果となっていました。

 

運動・スポーツを行った理由は「健康のため(77.4%)」、「体力増進・維持のため(53%)」

 

(スポーツ庁:平成28年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」について より引用)

 

見てのとおり、この調査を確認すると運動・スポーツを実施した理由としては

  • 1位:健康のため(全体77.4%)
  • 2位:体力増進・維持のため(全体53.0%)
  • 3位:楽しみ・気晴らしのため(全体45.1%)、、、

といった順位となっております。

 

この結果を見ると人が運動・スポーツをする主な理由は健康のためと言えるのではないでしょうか。

 

「減量のため」を理由にしたのは22.2%。

 

そして肝心の減量を運動の理由としてあげている部分を探してみると、割合は男女によって少し差はありましたが

  • 肥満解消やダイエットのため(全体22.2%)

となっています。

 

そのため、こうしたデータを見ても先ほど引用した

どこの国でも、人が運動をする主な目的は体重を減らすことだ。

(燃やせる脂肪は5%が限界…科学的に見て「運動したら痩せる」が大間違いである理由 より引用)

というこの記事の表現には少し違和感を感じます。

 

ちなみにこのスポーツ庁の世論調査の概要は以下のようになっているので気になる方はご参照ください。

  1.  調査地域:全国
  2.  調査対象:18~79歳の男女
  3.  対象パネル:「マイボイスパネル」約103万人(パネル数は2016年11月時点)
  4.  調査方法:上記パネルの登録モニターを対象としたWEBアンケート調査
  5. 回収数:有効回収数 計20,000件
  6. 回収割付:調査対象の人口構成比に準拠した割付
  7. 調査実施期間:2016年11月7日(月)~11月14日(月)

(調査の概要 参照)

 

補足:日本とその他諸外国の事情による違い。

 

ただ補足すると、記事内で紹介されているグラフを見ると日本は他の諸外国と比べて肥満率の上昇は見られないので、事情が違うと言った意見もあるかもしれません。

 

(燃やせる脂肪は5%が限界…科学的に見て「運動したら痩せる」が大間違いである理由 より引用)

それはその通りかもしれません。ただこの記事のグラフには日本のデータも事実載せていますし、日本語で雑誌に載せている記事ではあるので当然ながら日本人が読みます。

その辺を考慮すれば「どこの国でも人が運動をする主な目的は体重を減らすことだ。」と記載されているのはそれでもあまり適していないと感じました。

 

検証② その論文で子供の肥満に運動は有効でないと言い切っていいの?

 

子供の肥満を減らすのに運動は有効ではない?

 

そして次に気になったのが、検証①の文言の少し後に書かれているこの部分です。

では、視点を変えて子どもの肥満を減らすのに、運動は有効だろうか? 端的に答えれば、有効ではない。2013年に発表された論文では、3歳から5歳までの子どもの運動量(活動量計を用いて計測された)となぜうまくいかないのだろう?

体重が比較されている(※5)。執筆者は、「運動と肥満の間には何ら関連が見られない」と結論づけた。

(燃やせる脂肪は5%が限界…科学的に見て「運動したら痩せる」が大間違いである理由 より引用)

 

この記事内では子供の肥満を減らすのに運動は有効ではないと主張しています。(改行部分に少し日本語的に接続の違和感はある気はしますがこの部分は記事通り引用しています。)

 

そしてその有効でないという根拠として※5の論文を挙げています。

 

運動が有効ではないとしている根拠論文についての違和感。

 

この論文を確認すると、

Association between objectively measured sedentary behavior and body mass index in preschool children

というタイトルの論文であり、実際に私も読んでみました。

 

ただこの論文、、、

実際に読んでみると、タイトル通りBMI(肥満度)とsedentary behaviorとの関連を調べた研究なのです。

 

sedentary behavior、、、直訳すると“座りがちな行動”です。

 

もう一度振り返ると、この記事では「子供の肥満を減らすのには運動は有効ではない」と書いています。

 

しかし、あくまで私の経験ではありますが、ダイエットや減量系の論文を読んでいると、こうした日本語で言う“運動”に対応するような意味で使用される英語としてはphysical activityという言葉がよく使われます。

 

事実、physical activitysedentary behaviorではだいぶ意味が異なってきます。

 

記事を読んだ後に、その根拠となっている論文を調べた時に私はまず最初にそこに違和感を感じました。

 

ちなみに成人では座位時間(sedentary time)はメタボリックリスクと有意な関連があることも報告されており、そのリスク軽減のためには座位時間を減らすことが重要であることが提言されています。

(参照:Genevieve N Healy et al. Objectively measured sedentary time, physical activity, and metabolic risk: the Australian Diabetes, Obesity and Lifestyle Study.Diabetes Care. 2008 Feb.)

 

そして記事内で参照されていた論文を読んでいくとあくまで、成人においてはそうした関連が見られる背景はあるものの、幼児においてはどうなのかといったことを研究したものでした。そしてその結果、幼児では座位行動とBMIの間に明確な関連がみられなかったという報告なのです。

 

そのため、この論文ではあくまでも座りがちな行動(sedentary behavior)BMIと独立して関連していなかったと報告しているのです

そして補足として成長パターンを考慮した縦断的な研究を行うことでこれらの関連性についての理解が進むだろうと論文内に書かれています。

 

しかし、この論文を根拠として提示している記事の筆者は

執筆者は、「運動と肥満の間には何ら関連が見られない」と結論づけた。

(燃やせる脂肪は5%が限界…科学的に見て「運動したら痩せる」が大間違いである理由 より引用)

と記載しています。

 

「運動と肥満の間には関連がない」といった表現はいき過ぎでは?

 

私の英語力の問題かもしれませんが、少なくとも私が読んだ限りではこの論文の執筆者はそういった意味(運動)で結論付けてはいないように感じます。

 

この論文を根拠にした上で「運動と肥満の間には何ら関連がみられない」といった表現をすることは個人的にはあまり適していないと思いますし、申し訳ないですがミスリードではないかと感じてしまいます。

 

以上のことから、私としてはこの論文を根拠に子供の肥満に対して運動は有効でないと断言するのはいき過ぎている印象を受けます。

 

そのためこの点について気になる方は、実際に記事の最後にある※5の論文を読んで個々で確かめていただく方が良いと感じました。

※5の論文はこれになります↓

Association between objectively measured sedentary behavior and body mass index in preschool children

 

検証③ 肥満の原因の95%は食事であるといった主張の根拠がわからない。

 

根拠が不明。

 

そして次に気になったのがこの主張部分です。

これまで、「肥満の解消には食事療法と運動の両方が大切」だと、どちらも同じくらい重要であるかのようにいわれてきた。

だが、食事療法と運動は、どちらも同じくらい大切というわけではない。食事療法がバットマンだとすると、運動はさしずめロビン(バットマンの弟子という役どころの架空のスーパーヒーロー)といったところだろう。肥満の原因の95%を占めるのは食事なのだ。

〜中略〜

野球にたとえて考えてみよう。バントは大切なテクニックのひとつだが、おそらく試合の5%ほどを左右するに過ぎない。残りの95%は打撃、ピッチング、守備にかかっている。だとすると、練習時間の50%をバント練習にあてるのは馬鹿げているだろう。

(燃やせる脂肪は5%が限界…科学的に見て「運動したら痩せる」が大間違いである理由 より引用)

 

記事の筆者によると肥満の原因を占めるのは95%が食事であり、運動と食事を比べると圧倒的(95%)に食事が重要であると主張しています。

この割合の根拠はわかりませんが、この文の少し前に遡ると、運動と5%といった表記はありますがそれがこの部分、、、

 

例を挙げてみよう。軽い運動をしている平均的な男性の総エネルギー消費量は、一日あたり2500キロカロリーだ。これに対して、毎日、ゆっくりと(時速3キロ程度)45分間歩いた場合に燃やされるエネルギーは、およそ104キロカロリー。

言い換えれば、ウォーキングをしても総エネルギー消費量のわずか5%ほどしか消費しないということになる。カロリーのほとんど(95%)が基礎代謝に使われるということだ。

(燃やせる脂肪は5%が限界…科学的に見て「運動したら痩せる」が大間違いである理由 より引用)

 

まさかここから運動の重要性が5%であるといっているわけではないと思いたいのですが、一応説明します。

 

記事の筆者は平均的な男性の総エネルギー消費量2500kcal/日と紹介しています。

そして時速3kmほどの速さで45分歩いた時に消費されるエネルギー約104kcalと書いています。

 

104÷2400=0.0416、、、5%程度と解釈。

 

まさかこれが肥満解消の運動の貢献度?が5%で食事が95%と言っているのでしょうか、、、^^;

さすがにそれはないとは思いますが、他に食事95%、運動5%を示す根拠が提示されていなかったので非常に引っかかりました。

 

この割合に関しては、根拠が不明瞭であることからこれ以上掘り下げようがありませんでした^^;

 

補足:肥満解消に食事の管理が重要なのは間違いない。

 

私も運動だけでは減量することは難しいという部分には同意します。

そして肥満解消には食事の管理も非常に重要になってくることに関しても全く異論はありません。

 

事実、私のブログでも運動での消費カロリーの低さについては触れたことがあるので、そう主張したい気持ちもわかります。

 

しかしそれでも、運動5%、食事95%であるといった割合はあまりにも極端であるように感じ、私から言わせるとわざわざ運動をそこまで毛嫌い?しなくても、、、と思ってしまいます^^;(笑)。

 

検証④ 基礎代謝に運動は全く関わらないような前提で書かれている?

 

検証③の続きにはなりますが、先ほどの5%の部分あたりについて少し触れていきます。

 

記事内での総エネルギー消費量について。

 

まず記事の筆者は総エネルギー消費量を下記のものを全て足し合わせたものであると紹介しています。

  • 基礎代謝量
  • 食事による熱発生効果
  • 非運動性熱産生
  • 運動後過剰酸素消費量
  • 運動によるエネルギー消費量

(燃やせる脂肪は5%が限界…科学的に見て「運動したら痩せる」が大間違いである理由 参照)

 

これらを全て足し合わせたものが総エネルギー消費量と記事内では紹介しています。

 

そして先ほどの5%はこの中の運動によるエネルギー消費量について触れており、何故か45分のウォーキングのエネルギー消費量総エネルギー消費量との割合から5%の消費量しかないことについて強調されていました。

 

基礎代謝への言及。

 

そして

ここで大切なポイントは、総エネルギー消費量に含まれるのは運動によるエネルギー消費量だけではない、という点だ。総エネルギー消費量の大部分を占めるのは運動ではなく基礎代謝量だ。

(燃やせる脂肪は5%が限界…科学的に見て「運動したら痩せる」が大間違いである理由 より引用)

といったように総エネルギー消費量の大部分を占めるのは運動ではなく、基礎代謝であると書いています。

 

この基礎代謝の重要性に関しては同意です事実、私もブログで基礎代謝について触れたことがありますが、エネルギー消費量の割合の大きさから重要であるといった旨について少し書いたことがあります。

 

そしてこの記事の筆者は基礎代謝量について以下のように説明しています。

基礎代謝量は数多くの要因によって変わってくるが、その要因には次のようなものが含まれる。

(燃やせる脂肪は5%が限界…科学的に見て「運動したら痩せる」が大間違いである理由 より引用)

  • 遺伝性別(基礎代謝量は、通常は男性のほうが高い)
  • 年齢(基礎代謝量は年齢とともに落ちていく)
  • 体重(基礎代謝量は筋肉量にともなって増えていく)
  • 身長(基礎代謝量は身長が高いほど高い)
  • 食事(過食か少食か)
  • 体温
  • 外気温(体が温められるか、冷やされるか)
  • 臓器の機能

(燃やせる脂肪は5%が限界…科学的に見て「運動したら痩せる」が大間違いである理由 より引用)

 

ここで気になるのが、上の箇条書きで記事の筆者自身が書いてある通り、体重のところに「基礎代謝量は筋肉量にともなって増えていく」とあり、この部分は運動の貢献するところでは?と私は思います。(当然ながら筋肉量を増やすには食事も重要になりますが。)

 

補足:筋肉が影響を及ぼす基礎代謝量について。

 

運動と関連の深い筋肉について、基礎代謝とからめて私なりに補足させていただくと、、、

実は筋肉(骨格筋)の重量は全身の約40%を占めることから、基礎代謝量全体のうち骨格筋による代謝量が占める割合も自然とある程度多くなります。

 

ただ同時に、注意が必要なのが1kgあたりの相対的な基礎代謝量で見ると筋肉は心臓、肝臓、腎臓、脳などと比べて大きく下回るといった性質を持っています。

 

(Organ-tissue mass measurement allows modeling of REE and metabolically active tissue massより引用)

 

なので筋肉は身体に占める割合は多いものの、筋肉1kgあたりの相対的基礎代謝量は低いといった少し複雑な位置付けとなっております。

(参照:Organ-tissue mass measurement allows modeling of REE and metabolically active tissue mass)

 

そして理論上は筋肉は1kg減少すると、1日あたり13kcalのエネルギー消費量が減少すると言われています。

 

この13kcal/kg/日といった数値を大きいと見るか小さいと見るか、どう捉えるかは様々な見解があり、骨格筋量を増やして基礎代謝量を上げても大きな減量効果は得られない(もしくは基礎代謝への変化は微量である)といった意見があるのも事実です。

 

その反対意見としては、筋力トレーニング後は代謝が亢進するため、実際は13kcal/kg/日以上のエネルギー消費量を期待できることや、筋肉量を増やすためのトレーニングを通して、その活動自体でもエネルギーが消費されたり、脂肪量の減少が期待できるなど副次的なプラス効果がある面などが指摘されています。

 

詳細は省きますが私の一意見としては、そういった内容を加味していくと運動はオススメするに足る十分な効果があるとは考えていますが、同時に運動”だけ”でも不十分であり、減量には食事管理やその他の要素もうまく取り入れる必要があると考えています。

 

ただ記事の筆者は基礎代謝の重要性について触れてはいるものの、こうした運動(筋肉)と基礎代謝の関係性などについては一切触れていないことが少し気になるところです。

 

その重要視する割合に関しては私には現時点では答えかねますが、少なくとも私個人の一意見として、上記のこと(基礎代謝と運動の関係や筋肉など)について考慮すると少なくとも運動5%、食事95%といったような偏った割合ではないだろうと考えています。

 

検証⑤ 運動することにより摂取カロリーが増えることについて。

 

運動をすると摂取カロリーが増える。

 

最後は検証というわけではありませんが、以下の内容について少し触れたいと思います。

 

なぜ、実際に落ちた体重は予想よりはるかに少なかったのだろう? その犯人は「代償作用」という現象だ――これには主にふたつのメカニズムがある。

まず、運動をすると摂取カロリーが増える――激しい運動をしたあとは、いつもより多く食べてしまうものだ(体にとって必要だから“お腹がすく”のだ)。

〜中略〜

体は安定した状態を保とうとする。だから、摂取カロリーが減れば、消費カロリーも減る。同様に消費カロリーが増えれば、摂取カロリーも増えるのだ。

(燃やせる脂肪は5%が限界…科学的に見て「運動したら痩せる」が大間違いである理由 より引用)

 

お読みの通り、記事の筆者は運動をすると摂取カロリーが増えるという点について指摘されています。

この点は非常に重要であると私も思います。

減量をするためにエネルギー消費量を増やす必要があり、その手段の1つとして運動が推奨されています。

 

しかし、運動を同じように行ったとしても体重が減少する人もいればいない人がいるのも事実です。

 

そんな中ある研究で、継続的に運動を行った際に減量効果が見られた人と減量効果が見られなかった人の違いは、介入前後で食事・エネルギー摂取量の変化の有無であったという報告があるようです。

 

(申し訳ないのですが、これに関しては一次資料にはアクセスできなかったので下に関連書籍を書いておきます。)

それによると減量効果が見られなかった人は、単純に運動を行う前よりも食事を多く取るようになっていたようです。

 

減量には食欲コントロールも重要。

 

そのため、運動をしたところで食欲をコントロールすることができなければ、体重減少効果が得られないといった点について指摘されています。

(参照:寺田新 他,スポーツ栄養学 科学の基礎から「なぜ?」にこたえる.東京大学出版会)

話が長くなるので今回はこの点については省略しますが、これらには脳の視床下部にある摂食中枢やホルモンによる食欲調節が関わってきます。

そのため、先ほど減量するには運動だけでは不十分といったことはこれら要素の問題もあります。

 

この点を考慮すると、記事の筆者が述べている運動をすると摂取カロリーが増えるというのも一面では正しいと言えます。

 

しかし、必ずしも全ての人が運動をすると摂取カロリーが増えるかというと少し話が変わってくるのに加え、これを理由に運動の重要性が著しく低くなるわけではないと私は考えています。

 

またそれ以外にも重要なこととして、(詳細は別の機会に取り上げますが)実は適切な負荷量であれば運動は食欲をうまくコントロールする作用があるといった可能性も示唆されています。

 

そのため、運動をしたからといって必ずしも摂取カロリーが増え、減量ができないといった現象が起こるとは限りません。

 

結論部分に関してはバランスが悪く感じ、賛同はできない。

 

そのため、この記事の筆者が最後に

「肥満に関する101の問題」と題した最終テストに、いま私たちは挑んでいる。95%の食事に関する問題と5%の運動に関する問題の出来によって、成績がつけられる。それなのに、私たちは勉強時間とやる気の50%を、運動に関する問題の勉強に費やしている。

私たちのいまの成績が“F(不合格)”なのも無理はない――“F”は”Fat(太っている)”の”F”だ。

(燃やせる脂肪は5%が限界…科学的に見て「運動したら痩せる」が大間違いである理由 より引用)

と締めくくっていますが、運動に対して5%、食事が95%という運動に対しての過小評価している点についてはやはり私は賛同できません。

 

減量するには食事も運動も大事であり、これに関しても要はバランスであると思います。

 

減量は手段であって目的ではないのでは?

 

また肥満を解消するために減量することに関して記事の筆者は書いていますが、以前に私のブログで書きましたが見誤らないようにしたいのが、肥満の1番の問題は様々な疾患の原因となることです。

(過去のブログ参照:まずは3%の減量から。肥満について知っておきたいこと4選。)

 

そのための減量であるため、体重の減少率は確かに重要ではあるのですが、減量をすることにより得るメリット、、、

つまりは生活習慣病にかかるリスクを減らすという最終目標のための1つの手段として減量があると私は考えています。その最終的なリスク減少のためには運動の効果を決して過小評価すべきではないと思います。

 

記事の筆者はそういうつもりはないのかもしれませんが、この記事だけを読むと減量にこだわるが故に減量が目的となってしまっている感が否めません。

なぜなら、もし肥満による生活習慣病のリスク上昇が問題であり、それを軽減するのが目的としていれば、いくらなんでも運動の重要性が5%までと極端に低くなることはないと思います^^;

そのため、もしかしたら減量に対する捉え方が私とは少し違うのかもしれません。

 

あくまで減量は肥満により引き起こされる様々な疾患リスクを軽減するための1つの”手段”であると私は捉えています。

 

そうした”手段”である減量を”目的”と捉えてしまえば、摂取カロリーを極限まで減らす事で手っ取り早く達成できるかもしれませんし、減量だけにこだわるのならある種それが正解となるのかもしません。

 

(今回は詳細を省きますが)しかし、そうした方法は一歩間違えると逆にさらに太りやすい身体になる可能性や筋肉量や基礎代謝が減少する事によるデメリット、不健康へと繋がってしまうリスクがあります。

 

そのためあくまで私一個人の考えではありますが、何よりも健康あってのものだと思うので、目的を見誤らず、手段である運動も食事も極端に偏らずにバランス良く取り入れていくことが重要であると考えています。

(記事の筆者が言うように極端な運動は身体に良くないのも事実なので、当然ながら運動に偏りすぎるのもいけないと思います。)

 

おわりに。

 

これら以外にも取り上げたいことはあるのですが、長くなるのでひとまず今回はここまでとします。

最後に少し取り上げたいのが、この記事に関してのヤフーニュースのコメントです。

リンク↓

ヤフーニュースコメント欄

今回取り上げたこのプレジデント・オンラインの記事ですが、私自身はここまで書いてきたような感想を抱いたのですが、これを読んだ他の人たちはどういった意見を持っているのかなと覗いてみました。

するとコメントをざっと見る感じは理由は諸々違えど、違和感を感じた人も多いみたいです。

運動なんて全く意味がないんだとコメントしている人が多いとどうしたものかと思いましたが、少し安心しました(笑)。

各々が冷静に捉えている部分が多く興味深いものでした。

 

ただ、かといって私の今回書いた内容が絶対的に正しいわけでもありません。職業柄ある程度運動について勉強している身分ではありますが、それでも今回の内容も私の一個人の見解なので、こうしたヤフーコメントと同じようなものとも言えますし、あくまで皆さんが考える上での参考の1つ程度にしていただければと思います^^

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