デスクワークの影響とは?座位時間と疲労の関係性について解説!

座っている時間が長いのが健康に良くないことは、よく言われています。

 

職業柄、デスクワークで座っている時間がどうしても長くなってしまう人もいると思います。

 

今日はそんな人のための、豆知識を1つご紹介したいと思います。

 

1.座っている時間の長さと健康の関係。

 

厚労省の資料を参照してみても、生活の中で座りすぎている人は、そうでない人と比較して、寿命が短く、肥満度が高く、2型糖尿病罹患率や心臓病罹患率が高いことが報告されています。

 

また座位時間について、20か国を比較した結果、日本人の座位時間が一番長く、日本人には座りすぎのリスクが大きいといった指摘がされています。

(参照:厚生労働省の資料)

 

2.スクリーンタイムの長さと心血管リスクの関係。

 

また、リモートワークが普及した昨今、スクリーンタイムの長さも問題となっています。

ある研究では、5~6時間/日のスクリーンタイムは、10~11時間/日の座位時間と同様の心血管リスクを有していたといった報告もされています。

(参照:Wu Jingjie er al.Sedentary time and its association with risk of cardiovascular diseases in adults: an updated systematic review and meta-analysis of observational studies . BMC Public Health. 2022)

 

ただ、仕事のためそれは仕方がないという人もいると思います。

それ以外にも、疲れているのだから座りたくなるのは仕方がないと感じている方もいるかもしれません。

 

3.座位時間と疲労の関係

 

疲れているから運動ができない、そんな余裕がない。

 

勿論、そういう方もいると思います。

 

ただ、果たしてそれは全員があてはまることでしょうか。

 

デスクワークの人は以下のような疑問を持ったことはないでしょうか。

 

活動としては、座っているだけなのに、何でこんなに身体が疲れるのだろう、、、。

 

学生時代に動き回っていた時はあんなに体力があったのに、、、。

 

今では、仕事とはいえ座っているだけでも、こんなにへとへとになって疲れて、運動できる体力なんてとてもない、、、。

 

年のせいかな、、、。

 

気疲れからこんなに疲れるのかな、、、。

 

 

こういった疑問も、間違いではありません。

 

 

しかし、中にはこれらに該当せず、今の疲労の原因の主因がこれらで無い方もいる可能性があります。

 

そういった方は見方を変える必要があります。

 

 

というのも、

実はその疲れは、座っている時間が長いから、生じてしまっているといった可能性も考えられるのです。

 

 

???

 

何を言っているか、わからないかもしれません。

 

疲れているから、座りがちになってしまっているというのは理解がしやすいと思います。

 

しかし、疲労というのは不思議なもので、因果関係が逆で、座っている生活をしているから疲れてしまっているということもあり得るのです。

 

4.座っているから疲れがでる?

 

一般人口における疲労のパターンを様々な評価によって、健康状態との関連を探ることを目的とした研究があります。

 

その研究によると、疲労が少なかった人の特徴として、身体的に活発で、座りがちな行動をあまりとらないといったものがありました。

 

同論文では結論として、運動量を増やし、座りっぱなしの行動を減らすという介入が、疲労を訴える人を助けるために重要であるといったことが示唆されています。

(参照:Isak Engberg et al/Fatigue is widespread in the population and a common complaint in primary care. Little is known about prevalence of fatigue in the population and its predictors.BMC Public Health. 2017)

 

またそれ以外にも、1日8時間、座位で仕事を行った群と、30分ごとに立位と座位の姿勢を変化させた群を比較した研究があります。

 

その研究によると、30分ごとに座位から立位と姿勢を変化させた人たちの方が、疲労レベルや腰の不快感が優位に少なかったといった結果が報告されています。

(参照:Alicia A Thorp.Breaking up workplace sitting time with intermittent standing bouts improves fatigue and musculoskeletal discomfort in overweight/obese office workers . Occup Environ Med 2014)

 

ずっと座っているよりは、30分ごとに立ったり座ったりを繰り返している方が活動量は多くなります。

それにも関わらず、ただ座って仕事をしている人より、こまめに姿勢を変換していた人の方が疲労が少なかったのです。

 

実はこういった、活動量をある程度増やした方が疲労感が少なくなったといった報告は多くあります。

 

航空会社のコールセンター従業員を対象に、1日10分の運動セッションに2ヶ月間参加させた群と、同期間、毎日10分間の休憩をとった群にわけてそれを比較した研究があります。

 

結果としては、筋骨格系の不快感に関しては両群ともに減少したことを認めました。

 

しかし、運動セッションに参加した群の方が、そうでない群と比べて、精神的疲労の程度、疲労感の減少が認められました。

 

仕事の合間に10分間休憩していた人と、10分間運動していた人では、通常であれば休憩していた方が疲労はとれると考えてしまいますが、結果としては逆だったのです。

(参照:Denise Helena de Castro Lacaze .Stretching and joint mobilization exercises reduce call-center operators’ musculoskeletal discomfort and fatigue . Clinics (Sao Paulo). 2010)

 

何とも不思議な話ですね。

 

5.座っているより動いている方が疲れが少ない理由。

 

こうした不思議な現象の理由はまだ明確にはわかっていません。

 

ただ、仮説として、自律神経活動のバランスの維持に効果的血流が増加することによってエネルギーレベルが維持された結果として、気分が良好に維持されるのではないかといった考察がされているようです。

 

理由は解明していませんが、座位時間が長いよりは、その合間に何かしらの身体活動を増やし、運動量を上げた方が疲労感は少なくなっているといった現象は多く確認されています。

 

事実、座位時間が長いほど、全般的疲労、身体的疲労、活動定価、精神的疲労の平均が高いといった傾向が確認されています。

 

こうしたことから、最近では、疲労軽減を目的とした運動プログラムといった効果の検証がされているようです。

 

通常は動いているから疲れると考えるものですが、人によっては、実はそれは逆だったのかもしれません。

実は、動かなさ過ぎたことが原因で疲労がたまっている人が、現代ではそれなりにいるのではないかと考えられています。

 

疲労軽減のための運動というのはなかなかのパワーワードですね。

休むのか動くのかどっちやねんと、、、(笑)。

 

ただ冗談ではなく、疲労は何も動きすぎてだけ、たまるものではありません。

動かなさすぎ(不活発)ても、疲労はたまるのです。

 

ちょっとしたパラダイムシフトですね。

 

リモートワークが普及し、運動不足になったといった意見が、私の周りでもちらほらとリアルな声で聞くことがあります。

 

そうした新しいワークスタイルに合わせた、新しい運動プログラムが提供される日もでてくるかもしれませんね。

 

デスクワークが長くて疲労がたまる、、、そうしたタイプの疲労軽減に特化した運動プログラムの提供、、、

 

この分野に関しては、個人的には非常に興味を持っています。

今後の研究にもぜひ期待したいところです。

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