肩こりや腰痛って、“性格”のせい?──そう見えて、そうじゃない生活習慣の話

肩や腰の痛みは、身体からのちょっと遠回しなサインだったりもする。

失敗しながらでも、まずは一歩踏み出してみる。それで良いんじゃないかな。

①肩こり・腰痛知らずの人ってどうしてるの?

肩こりや腰痛って、もう「国民の友」なんじゃないかってくらい、誰しも一度は経験している気がします。

そして、その関係性はだいたい悪い。ズキズキしたり、重たかったり、ふとした瞬間に思い出させてくるあたり、なかなかの粘着質です。

「そんな寄り添い方はいらないんだよな……」と思っても、空気を読まずにぴったりくっついてくる。
それが肩こりであり、腰痛だったりします。

 

でも、一方でこうも思うんですよね。

肩こり知らずの人って、どうやって生きてるの……?

あの“いつも元気で、どこも痛くない顔”をしている人たち。
肩こり・腰痛とは無縁そうな人たち。

自分と年齢はさほど変わらないのに何で?

──あの人たちの肩と腰には、一体なにが起こっているんでしょうか?

実はこの素朴な疑問に、ひとつのヒントをくれる研究があります。

今日はその内容を紹介してみようと思います。

「体質」より「習慣」の方が強かった?

ある16年間にわたる研究で、こんな興味深い結果が出ているんです。

  • 肩こりのリスク:2.54倍
  • 腰痛のリスク:2.45倍

──これは、

「生活習慣が良い人」

「そうでもない人」

との間に生まれた差です。

つまり、日々の過ごし方が、肩や腰の未来にしっかり影響しているという話。

「私、体質的に肩がこりやすくて~」なんて言っていたけれど、実はそれ、習慣で変えられる余地があるのかもしれません。
(※参考:Taniら, 2020年)

②肩や腰が“嫌がる”生活、していませんか?

その研究によると、肩こり・腰痛のリスクを左右していたのは、以下の4つの生活習慣でした。

  • 体力(休まず1時間歩けるくらい)
  • 運動習慣(週2回以上)
  • 睡眠時間(7〜8時間)
  • 生活満足度(主観的でOK)

これらをすべて満たしている人は、症状が出にくかったんです。

まさに、“健やかな生活”って感じの要素ですね。

一方で、それらを崩している生活を振り返ると……ちょっと耳が痛くなるかもしれません。

たとえば、

  • 体力? 車移動で全然歩いてない。
  • 運動? 時間がないし、来週からって決めてる。
  • 睡眠? つい夜更かししてスマホいじってる。
  • 満足度? SNSで他人のキラキラ人生を見て凹んでる。

──うん、やっぱり耳が痛いです。

私含め現代人あるある。(え、私だけ?)

でも、もしこれらが知らず知らずのうちに肩や腰に負担をかけていたとしたら?

ちょっとだけでも、生活を見直してみたくなりませんか。

「生活満足度」が身体に関係あるって、どういうこと?

なかでも少し意外だったのが、この生活満足度という項目。

ストレートに「運動」や「睡眠」じゃなくて、“主観的に満足しているかどうか”が、肩こり・腰痛と関係しているとっていうんです。

そう、主観って意外と大事。

SNS上のキラキラに騙されちゃいけない。
比較するなら人と比べるんじゃなくて、過去の自分と比べて。
(↑自分への戒め)

 

少し深掘りすると、生活満足度に影響しやすいとされる要因には、以下のようなものがあるとされています。

  • 雇用状況
  • 健康状態
  • 所得
  • 家族構成や関係
  • 教育
  • 社会的・身体的活動レベル

これらの生活満足度が、ストレス反応や筋緊張のレベルに関係してくる可能性があるんですね。

科学的にも、ストレスは筋肉の緊張を高めたり、痛みを感じやすくしたりすることが知られています。

「幸せな人はこりにくい」って、案外ほんとっぽい。

幸せな人は、身体にとっても、知らず知らずの内に好循環を生み出してるみたいです。

幸せそうに見える人って、そういった色んな好循環を味方につけて魅力が作り上げられているのかもしれません。

善行って大事。

ちなみに、職場の環境もけっこう大事

別の論文にはなりますが、腰痛に関しては職場の心理的・社会的な環境もリスク因子になると報告されています。

たとえば、

  • 上司や同僚からの社会的支援が少ない
  • 仕事に対する満足度が低い
  • 自分で決められる裁量が少ない

──こういった職場環境が、腰痛リスクを上げてしまう可能性があるとされています。
(参照:Hoogendoornら, 2000年)

 

これも反対にすると、わかりやすいかもしれませんね。

  • 上司や同僚との関係が良好で、いつでも支援が受けられる。
  • 仕事内容自体に満足している。
  • 自分で仕事量を調整できる。しかも誰にも文句言われない。……理想郷かな?

そんな恵まれて良いの?

「一生ここにいさせて下さい。」ってなってしまいそう。

 

身体って、わかりやすく「負担が大きい」ところから壊れていくんですよね。

そしてそれは、筋肉や骨だけの話じゃなくて、「環境」や「感情」もちゃんと関係してくる。

③普段の選択が、からだの“未来”をつくっていく

肩こりや腰痛って、ある日突然やってくるようでいて、
実際には静かに、コツコツ、忍び寄ってくる存在です。

気づいたときには、「なんでこんなに痛いんだっけ……」と振り返ることになる。

でも、それなら逆に言えば、
“普段の積み重ね”で、遠ざけることもできるということです。

  • 今夜はスマホをちょっと早めに切り上げて寝てみる
  • 明日は一駅分歩いてみる
  • 週に1回だけ、好きな運動をしてみる

そのくらいのことだけでも、肩や腰との関係が変わってくるかもしれません。

身体って、案外ちゃんと自分の行動を見てくれていて、それに反映される正直者なんです。

④“気持ちいい生き方”は、痛みの少ない生き方かもしれない

肩や腰の痛みは、身体からのちょっと遠回しなサインみたいなものです。

「そろそろ無理しすぎじゃない?」
「ちょっとでいいから、労わってよ」──と。

私たちにできるのは、その小さなサインを無視しないこと

完璧な生活なんて目指さなくていい。
でも、「今の自分に優しくする選択」を少しずつ増やしていけたら、
肩や腰との関係は、もっと穏やかになっていく気がします。

いきなり生活満足度を劇的に上げるなんて、正直現実的じゃないと思っています。
完璧な幸せなんてないし、幸せの形は人それぞれ。

大事なのは、「自分がそう感じられるライフスタイル」をつくること
失敗しながらでも、まずは一歩踏み出してみること。

その姿勢だけで、幸せは意外と、近づいてきてくれるものなのかもしれません。

⑤今日のちょっとした補足

📚参考文献

・Tani N, Yamamoto A, et al.Lifestyle and subjective musculoskeletal symptoms in young male Japanese workers: A 16-year retrospective cohort study.Prev Med Rep. 2020.
・W E Hoogendoorn et al.Systematic Review of Psychosocial Factors at Work and Private Life as Risk Factors for Back Pain.Spine (Phila Pa 1976). 2000.

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